第2話

私は殴られて、体中が震えていた。

その時、隣のおばさんが出てきた。ひまわりの種をポリポリ食べながら、母さんを見ていた。

「春華(はるか)、どうしてこんなに子供を殴るの」

私は少しだけ希望が湧いてきた。

隣のおばさんが母さんを説得してくれたら、もう私を叩かれずに済むかもしれないと思ったからだ。

「このバカ娘、家の肉スープまで飲んだのよ」

母さんはそう言いながら、まだ怒りが収まらないのか、また私を叩いた。

私は痛みで叫びながら、体を小さく縮めて、動くこともできなかった。

隣のおばさんが助けてくれることを願って、必死に目で訴えた。

でも、あの優しそうだった隣のおばさんが、母さんの言葉を聞いて、急に顔色が変わった。

ひまわりの種の殻を地面に吐き捨て、その笑顔が消えていった。

「春華、肉母のことは大事かどうか、自分でちゃんと考えてね。この子、肉母のものまで食べるなんて、本当に食いしん坊だ」

「私から言うと、柴小屋に閉じ込めて、数日間飢えさせた方がいい。そうすれば、しっかり覚えてくれるだろう」

私は呆然として、言葉が出なかった。

普段は優しそうで親切な隣のおばさんが、こんなに冷たく、意地悪に変わるなんて、全く予想していなかった。

どうしてこんなことになったんだろう？普段、隣のおばさんは私と仲良くしてくれて、お菓子までくれるような人だったのに。

母さんはますます怒り、私を何度も叩いた。

私が黙って耐えているのを見て、ようやく手を止めてくれた。

「本当に、懲りないガキだ」

母と隣のおばさんはそのまま話を続け、私は隅っこで涙を拭きながら、何も言えなかった。

どうしてこんなことになったのか、本当に分からない。

姉は毎日美味しいものを食べているのに、私はただ肉スープを少し飲んだだけで、こんなに叩かれるなんて。

肉母になるのはいいな！

毎日、たくさん食べ物を食べて、何もしなくても寝てばかりで、羨ましい。

同じ母から生まれたのに、どうして私はこんな目に遭わなきゃいけないのだろう。

でも、母と隣のおばさんが話を終えて帰る時、母が目を拭っているのを見て、顔色が少し辛そうだった気がした。

私の勘違いだったのだろうか。

私は隅っこで縮こまりながら、どれくらい時間が経ったのかも分からないうちに眠り込んだ。

最終的に目を覚ましたのは寒さで、外は真っ暗になっていて、冷たい風が吹いてきて、思わず体が震えた。

台所からはまた肉を煮る匂いが漂ってきたけど、母さんは私を呼ばなかった。

涙をぬぐって、部屋に戻ろうと思ったその時、庭の扉が開く音がして、村長の声が聞こえた。

「春華さん、出てきなさい。話がある」

「今行くわ」

私の母さんの声が台所から聞こえ、小走りで庭に出て村長と話していた。

「春華、今年の肉母はお前の家だ。ちゃんと世話をしっかりしなさい」

村長の言葉は非常に厳しく、母さんはニコニコしながらお世辞を言っていた。

「大丈夫よ、しっかり世話してるわよ。村から送られた食べ物は全部作ってあげたし、今ちょうど太り始めてるところだから」

母さんは姉の部屋の方をちらりと見てから、声をひそめて言った。

「ちょっと計算したけど、今は150キロ以上になってるわ」

村長はとても満足している様子だった。

「自分がちゃんと分かっていればそれでいい。しっかり見ておかないとダメだぞ。去年、小南(こなみ)がうまく管理できずに逃げたせいで、今年はうちの肉工場はうまくいかなかったから」

母さんは何度も頷き、問題ないことを何度も保証し、村長は何度も念を押してから、ようやく不安そうに去って行った。