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第6話

療養院の部屋のドア越しに、私は玲奈と一緒にガラスを通して見た。祖父は手を振り足を踏みながら蘭を楽しませようとしていた。

蘭はベッドの上でうずくまり、無表情で両脚をしっかりと抱きしめ、その目には生気がなかった。

しばらくして祖父は動きを止め、控えめに苦笑を浮かべながら、蘭の頭を撫でた。

突然、深い苦しみからくる泣き声が響き、祖父は涙を目に浮かべながら蘭の頭を抱きしめ、何度もなだめた。

その光景を目にした私は、自分の顔を叩かずにはいられなかった。救うべきではない人を助けたことで、彼女たちを苦しめてしまったのだ。

玲奈の顔には茫然とした表情が浮かんでいたが、それでも目を閉じて歯を食いしばり、部屋のドアを開けた。

ドアが鳴ると、蘭は頭を上げた。

玲奈を見ると、その目には憎しみがあふれ、鋭い口調で言った。

「何しに来たの?!また私たちを苦しめるつもり?!」

そう言いながら、蘭は祖父の制止も聞かず、服を脱ごうともがき始めた。

「さあ!もっと苦しめてみろよ!やってみなよ!」

玲奈は苦しそうな表情で歩み寄り、蘭の手を押さえた。

「ごめんなさい、これからはちゃんとあなたたちの面倒を見るわ。それが拓海の遺志だから……」

蘭は目を大きく見開き、狂ったように笑い出した。

「ははははは!今になって兄が死んだって信じて後悔してるの!ずっと信じてなかったくせに?!」

彼女は自分と祖父を指さし、憎しみを込めて叫んだ。

「どうやって私たちを世話してくれたって?祖父をゴミ捨て場に捨て、声が出なくなるまで熱湯を浴びせ、蹴って殴りつけて、そして私を壊した!これがあんたの世話の仕方?!!出て行け!あんたなんかの世話なんていらない!恩知らずの裏切り者、私たち一家をめちゃくちゃにしたのはあんただ!」

「兄はあんたなんか助けるべきじゃなかった……あんたに殺されたんだ!クソ野郎!クソ野郎!」

蘭は枕を掴み、それを玲奈の顔めがけて投げつけ、手足を振り回しながら狂ったように叫んだ。

「出て行け!あんたの顔なんか見たくない!」

玲奈はひどく卑屈になりながらも、苦々しい笑みを浮かべ、頑なに言い放った。

「これはあなたの兄の遺志、必ずやり遂げるわ!」

蘭はそれ以上何も言わず、ぼんやりと窓の外を見つめ、静かに涙を流した。

玲奈は振り返って祖父を見たが、祖父も無視した。

彼女はその
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