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第41話 彼女の弱みを突き止める

鬼本の言葉は、谷口家の顔面を平手打ちするようなものだった。

一郎が娘を売ったのは事実だ!

筒井琴、大谷秋雨、そして兼家右京も、その責任から逃れるのは難しいだろう。

現場は議論に満ちていた、筒井琴はさっさと、呆気なくその場を去った。

一郎はその場に立ち尽くし、無表情だった。

今日の問題は、むしろ一郎を風上に押し上げた。

秋雨の顔は青く、兼家家の人々の顔も良くなかった。

秋雨と右京母は顔を見合わせ、ため息をついた。

晩餐会はこうして解散した。谷口家のことはすでに外部にまで広がっていた。

谷口家も兼家家も忙しく、夜遅くまで電話対応に追われていた。

一郎、筒井琴、右京母は、リストを見て、真っ先にすべてのメディアに連絡をした。

"右京君、私たちの家族の秋雨のために一生懸命働いてくれてありがとう。 今夜のことは、何があっても広めてはいけないの。さもないと秋雨の面目が潰れてしまう。

筒井琴は右京に感謝した。彼女も焦っていた。

右京はため息をついて、丁寧に言った。”ここまで来たんだから、全力を尽くすのみです。”

秋雨はソファに座り、泣いて目を腫らしていた。

兼家克之と兼家麻美が部屋に入ってきて、不満そうに谷口夫妻を責めた。 ”一郎さん、麻美さん、あなた達はなぜ今夜、物事をここまで大きくしたんですか?おまけに私達まで面目を失い、さらに栗原さんをまで怒らせてしまった」。

克之はベッドに重く腰掛け、激怒した。

”完璧な結婚式が台無しだ!”

元々この機会を利用し、便宜を図ろうと考えていたのだが、その結果、すべてが台無しになってしまった。

一郎も仕方なく、謝るしかなかった。「本当に申し訳ありません、こんなことになるとは思っていませんでした。」

谷口家は商売を生業としながら、兼家家を巻き込んだ。

実際、見捨てられた娘である一清が、どうやって栗原家の元に上り詰めたのか、一郎には分からなかった。

一方、一清は宴会場から連れ去られて以来、黙っていた。

栗原家の車に乗って初めて、彼女は口を開いて礼を言った。

「栗原さん、ありがとうございます。あの状況から連れ出してくれて。」

そうしないと、彼女は縛られて鬼本家に送られることになると思ったからだ。

栗原朱墨は口を開き、はっきりとした声で言った。「どういたしまして、あなたは私の主治医ですので当たり前の事で
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