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第4話

落とそうとした瞬間、智美が彼の手を引き留めた。

彼女は首を横に振りながら反対の意を示し、「子供が契約書なんてわかるはずがないわ。おそらく、自分が何を破ったかも知らないんじゃないかしら」

「悪気はないはずよ。契約書は、私が夜に書き直すわ......」と言った。

聡は彼女の言葉を聞くと、胸が激しく上下した。

「契約書なんかどうでもいい、だが俺は息子がこんな風に歪むのを見過ごすわけにはいかない!」

「何億円の契約書だぞ!あいつは自分が破りたいと思ったら、なんでも破るのか!こんな年でこれじゃ、大きくなったらどうなるんだ!」

その言葉を聞いた私は、目を見開き、強く見つめすぎて血が滲みそうだった。

「聡、あなたは気が狂ったの?息子が契約書を破ったなんてあり得ない!今日この女を信じるくらいなら、自分の息子を信じるべきでしょう?」

息子はもういないのに、彼女に陥れられるなんて思うと、私の怒りは理性を焼き尽くしそうだった。

私の言葉を聞いた聡は、智美の手から抜け出し、私の顔に平手打ちを喰らわせた。

その一撃が私を完全に目覚めさせた。

私は目の前の男をようやく認識した。

かつての若者は、会社を設立したその日にもう死んでいたのだ。

打たれた後も彼の怒りは収まらず、声を荒らげた。

「お前が息子に教唆して、夜中にシュレッダーの前でこのプロジェクトの最終契約書を粉々にしたんだろう?このプロジェクトにどれだけの努力を費やしてきたのかわかっているのか?」

「俺が彼に契約書を持って来いと言った時、姿を見せなかったのは、俺に顔向けできなかったからだろう!」

私は彼を冷たく見つめ、今までにない冷たい声で言った。

「聡、あなたの言っていることに証拠があるの?息子を、愛人が汚すことは許さない!」

そう言い終えると、彼は再び手を振り上げ、反対側の顔を叩いた。

私は息子の骨壺を守るため、じっとして歯を食いしばって耐えた。

痛みは次第に麻痺していった。

それでも彼は怒りの声を上げた。

「会社の警備員が目撃しているんだ!まだ何か言うつもりか?警備員は息子を知らないんだぞ。まさか、知らない者が息子を陥れているとでも言うのか!」

「無駄話はやめろ。今すぐ息子を連れてこい。俺が直接、何を企
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