第13話

翌日、冷泉海斗が別荘を出た後、私は別荘街の外にある公衆電話に行き、冷泉家に電話をかけた。

「冷泉海斗が人を殺したのです」

「はい、証拠があります」

「私は何も要らないです。あなたたちが冷泉海斗を連れて行けばそれでいいです」

「私は誰？」

「冷泉海斗の愛人です」

冷泉家は厳格な教育を受けており、三代続いて軍人だった。

唯一、冷泉海斗だけは海外でビジネスを学ぼうとしていた。

謝家は冷泉海斗を重視しており、彼が殺人を犯したとなれば、無視するわけにはいかない。

短期間で、彼は別荘に戻れなくなるはずだった。

案の定、その日の夜、冷泉海斗は帰ってこなかった。

別荘の電話が鳴り、冷泉海斗の陰湿な声が聞こえてきた。

「ちゃんと待ってろよ、出てきたらいいことをしてやる、お前は......」

彼が言い終わる前に、私は電話を切った。

電話は一晩中鳴り続けた。

もう誰も私を束縛することはできない、誰も私を止めることはできない。

荷物を持って、私は清月の紙くずが置かれた場所に向かった。

そこは小さな雑貨屋で、店主は白髪のおじいさんだった。

「清月が残したものを取りに来ました」

「おお、これだ」

彼は大きなピンクの封筒を私に渡した。

私は優しく開けると、中には一枚の写真が入っていた。

それは、私がまだ短髪の頃、嬉しそうにケーキを食べている写真だった。

裏には清月の言葉が書かれていた。

「大好きだ」

私は呆然とした。

その後、逆にリラックスした気持ちになった。

清月があの獣のような人たちを好きになっていなかったのは良かった。

そうでなければ、彼女はさらに苦しむことになっただろう。

駅に着いた。

明るい太陽が私に降り注ぎ、まぶしいほどだった。

もうすぐおばあちゃんに会えるから、私は異常な静けさの中に喜びを感じていた。

人々は「苦あれば楽あり」と言うが、私はすでに「苦」をたくさん味わったのだから、おばあちゃんこそが私の「楽」だ。

おばあちゃん、私はもうすぐ帰るよ、お待たせしました。