第37話

「待っても無駄よ、あなたには無理だから」

桜子は直接的に断り、澄んだ瞳で微笑んだが、その笑顔には冷たさが漂っていた。「私はあなたと食事をするつもりはないわ」

優希は舌打ちをした。「そんなに冷たくするなよ。前にACEで澤驭を懲らしめたことを感謝して、一緒に食事するくらいはしてくれてもいいんじゃないか？」

桜子は冷笑した。「私の記憶が正しければ、私を助けてくれたのは隼人じゃなかったかしら？兄弟を裏切って手柄を横取りするのは、あまり誉められたことじゃないわ」

「白沢さん、私が何か気に障ることをしたのかな？どうしてチャンスをくれないんだ？」優希は彼女を真剣に見つめ、狭い瞳に深い感情を込めた。「樹がいるからか？彼は堂々とあなたが彼女だと言えるか？俺ならできる！」

「本田様、恋愛に先着順なんてないけれど、礼儀や節操はあるのよ」

彼女の言葉はまるで優希を恥辱の柱に打ちつけたかのようで、彼の顔は一瞬で青ざめた。

「私は決して高貴な生まれではないけれど、自尊心はあるの。隼人と結婚したとき、私の心は彼一人だけだった。でも、今の私の恋人はKSグループの社長、樹。だから、私の心も目も、彼だけを見ている。粗末な食事には我慢できるけれど、他人が私の碗に箸を伸ばすのは許せない。本田様、どうかご自重を、私の生活をこれ以上乱さないでほしい。それだけよ」

桜子がこの言葉を言い放つとき、彼女の心の中には計り知れないほどの苦しみがあった。優希ですら、彼女がその目の奥に抑えきれない憤りと痛みを感じているのを見抜いた。彼の目は少し暗くなった。

桜子は深呼吸し、あごを少し上げて自分を武装し直し、身を翻して歩き出した。しかし、突然、彼女は足を止め、瞳が一瞬で収縮した。

「アツシ！？」優希は目を見開いた。こんなに早く来るなんて、まるで空母に乗ってきたようじゃないか？！

その時、隼人はまるで一本の鋭い剣のように西レストランの入り口に立っていた。その高くしっかりした体躯は冷たいオーラを発しており、ホテルの冷房が一段と寒く感じられた。

桜子は隼人のあまりにも熱い視線を受け止めた。正直なところ、彼の桃花のような目はとても美しかった。目尻が少し上がり、黒と白がはっきりと分かれ、目の先には淡い赤みがあり、かつて彼女の心をときめかせ、魅了したことがあった。

しかし、この目は三年間、彼女に対しては冷たさし