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血と想いの繋がり-2

Author: よつば 綴
last update Last Updated: 2025-03-23 06:00:00

 深夜2時を回った頃、ノーヴァはヌェーヴェルの部屋へ忍び込んでいた。

 数時間前、ヴァニルに気を失うまで犯されたヌェーヴェル。今日も今日とて死んだかのように眠っている。

 これは好機《チャンス》と言わんばかりに、ノーヴァはベッドへ潜り込む。

 しばしヌェーヴェルの寝顔を眺め、前髪をサラリと指で攫った。

 月明かりに影を落とすほど長いまつ毛や薄桃色の薄い唇、稀に見る端整な顔立ちだ。ノーヴァは、吸い込まれるように瞼へキスをした。

「んん····」

 ヌェーヴェルがぼんやりと目を覚ます。ノーヴァは、弛んだ口角をきゅっと引き締めた。

「やぁ、ヌェーヴェル」

「ん····なんだノーヴァか。······寝ろ」

 寝ぼけたヌェーヴェルに、ギュッと抱き締められるノーヴァ。小気味よく背中をトントンと叩かれ、完全に寝かしつけの体勢へ持ち込まれた。ウトウトと瞼が落ちてゆく。

 ノーヴァはハッと気づく。添い寝をしに来たのではない事に。ましてや、寝かしつけられるなど言語道断。子供扱いの極みではないか、と。

 再び眠って重くなった腕を退かし、布団へと潜り込むノーヴァ。ズッと履物を下ろし、ヌェーヴェルのモノを咥える。

「······んっ····はぅんっ!?」

 ヌェーヴェルは快感に驚き、今度こそしっかり目を覚ました。投げ飛ばす勢いで毛布を捲り、自分のブツを咥え込むノーヴァを凝視する。

「おっ、おまっ、お前! 何シてんだよ!? 寝込みを襲うとか····バカっ! んぅっ····やめっ」

「····うぅ
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     俺は、ノウェルをイェールに盗られたくないのだろうか。胸を張って“好き”だとも言ってやれないのに。「君が僕とイェールの関係をハッキリさせたいのなら、僕はいつだってイェールを突き放すよ」 俺の頬に手を添え、迷わずに言い切ったノウェル。俺は、その言葉に安心してしまった。「イェールには申し訳ないけれど、君と愛を交わす為に利用させてもらっているだけなんだから。ヌェーヴェル、安心しておくれ。僕はいつだって君の思い通りに動くよ」「そ··んな事····俺が言える立場ではない。イェールの事はノウェルが決めればいい。でなければ、イェールに不誠実だろう」 ノウェルの目を見て言うことができない。どれほど卑劣な考えがよぎっているのか、自分でわからないはずがないのだから。「はは····君は本当に真面目だね。そして狡い。自分の気持ちは見ないフリしてしまうのだから」「そんなつもりじゃ····いや、そんな事はない。気づいたんだ。俺は自分の事ばかりで、お前達の好意を蔑ろにしていた」 ノウェルから逸らしている視線を、さらに落として続ける。俺はこれを、自身への戒めとして口にするのだ。「クソ親父みたいな人間にならないようにと思っていたのに、結局アイツと同じ事をしていたんだ。俺は、俺が許せない····」 ノウェルはそっと俺の肩を抱き、瞼に優しくキスをした。ふと、目が合う。俺に似た顔で、俺にはできない優しい目で俺を見つめる。「ヌェーヴェル、ベッドに行こうか」「······あぁ」 俺たちはたどたどしく触れ合う。2人きりでするのは初めてだ。だからなのか互いに緊張を隠せず、妙な遠慮を孕んでいる。「お前が挿れるのか?」「君、僕

  • ヴァールス家 嫡男の憂鬱   試み-2

     感情が昂って喚いた俺を馬鹿にするように、ノーヴァは鼻で笑って言う。「ちっさ。前に聞いた時も思ったんだけどさ、ただの我儘マザコン坊やだよね」「ぶふっ····ノーヴァ、そんなはっきり言っては悪いですよ。幾らくだらない理由だからって····」「くだっ····お前らに俺の気持ちなんてわかんねぇよ! もういい。何もかも嫌だ。暫く俺の部屋には来るな!」 2人を追い出して、俺はベッドに倒れ込んで泣いてしまった。勝手に溢れて止まらなかったんだ。 心の傷を嘲笑われたの事や男として終わっていた情けなさ、他にもぐるぐる巡る様々な感情で気持ちがぐじゃぐじゃだった。 嫁探しは白紙に戻したい。けれど、跡を継ぐ事は諦めない。などと、そんな勝手が許されるはずはない。百も承知だ。 それでも、もう決めた事。後継問題は先送りにして、跡を継ぐ事に専念するしかない。後の事は継いでからどうにかすればいいのだから。 このくだらない実験に、意味があったのかは分からない。俺が傷ついただけな気もする。だが、できる事とできない事が分かっただけでも儲けものだ。今はそう思う事でしか、自分を慰められなかった。 どのくらい経ったのか、いつの間にか涙は止まり呆然と天井を眺めていた。何もかも投げ出して逃げてしまいたい。いっそ、今すぐ吸血鬼になってしまおうか。そう思った瞬間だった。 コツコツと遠慮がちに窓を叩く音。ノウェルだ。ノーヴァとヴァニルよりも小ぶりな羽をバタつかせている。 俺は無気力に窓を開け、思考など手放してノウェルを迎え入れた。「お前、飛べるんだな。いよいよ吸血鬼らしいじゃないか」「あはは、意地悪を言わないでくれよ。あまり試したことがないから、奴らほど上手くは飛べないんだけど····ってヌェーヴェル、もしかして泣いていたのかい?」 心配そうな困り眉になり、俺の目尻を親指で拭う。乾い

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