夫の過ち、聖夜の別れ
クリスマスイブの日、がんにかかっている3歳の息子の容態が悪化していた。息子は、クリスマスにパパからプレゼントをもらいたいと願っていた。
私は何度も夫に電話をかけたが、夫は苛立った声で怒鳴った。「毎日電話してうるさくないの?俺は真依ちゃんのためにモモを探してるだけだろ!それでもうるさく言うのか?」
「もしモモがいなくなったら、真依ちゃんはきっとショックで耐えられないよ!」
モモ?夫の最愛の人、夏井真依の犬のことか?
私は怒りをこらえながら、息子の空が今夜最期を迎えるかもしれないと伝えた。すると、夫は笑いながらこう言った。「葵、俺が知らないと思っているのか?空の性格が悪いのは全部お前のせいだ!
もし空がモモを蹴飛ばさなければ、モモはどうして突然出ていったんだ?明日、空には真依ちゃんに謝らせろ!」
電話を切った後、私は涙をこらえながら息子と最後のクリスマスを過ごした。
翌日、夫のSNSにはまだ犬を探しているという投稿があったが、私のSNSには息子の訃報が載っていた。
10年の結婚生活は、徐々に終わりを迎え、静かに消えていった。
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