まったくもって、これは僕の失態だった。やはり犯人は軽い気持ちで呪いをかけ、本当に進藤さんが怪我をしてしまったことに畏怖してしまったんじゃないだろうか。自分のせいかもしれないと感じているところに、僕らが余計な詮索をしてしまったがために、犯人は己の身を護るためにななせに危害を加えて沈黙させようとしたのではないだろうか。呪が実在するかどうかはさておき、実際に進藤さんが怪我をしてしまったことで犯人は自分のせいかもしれないという念に駆られ、それがばれてしまうのではないかという恐怖と向き合わなければならなくなってしまった。それば、いわば自分自身に呪いをかけてしまったと言えるのではないだろうか。人を呪わば穴二つ。呪いをかけるものはやはり自分にそれが返ってくることがあるのだ。――自分のせいかもしれない。総合病院に急ぐ自分自身に、その言葉が返ってくる。思えばあの日、上田の用意した藁人形に僕とななせの髪の毛を入れてしまったのだ。もし、呪いなんてそんなものがあるとすれば、ななせが襲われたのはやはり自分のせいだ。そうでなくとも、僕がちゃんと最後までついていてやれば、いや、もっと早い時点でこんなことに首を突っ込まないように言っておけば、こんな事態は避けられたのかもしれない。総合病院の待合室、首にコルセットをつけたななせと、彼女に寄り添う上田の姿があった。上田が偶々眼科の診療のため訪れたところで、病院の近くに倒れていたというななせが緊急搬送されてきたというのだ。「ごめん、マコト。余計な心配かけちゃって。たいしたことないんだよ。こんなコルセットなんてしてるけど、念のためっていうだけで、明日は普通に学校にも行けるから」 平常を取り繕うとしているが、実際に襲われて平気なはずがない。怪我こそそれほどではないにしても、メンタル的な問題のほうが重要だ。「いったい何があったんだ?」「うん、実はね……」 ななせの証言をまとめるとこういうことになる。 今日の放課後、僕と口論になり、ひとりになったななせは再び花宮さんのところに行き、進堂さんが入院しているというこの病院のことを聞いた。そしてななせは一人ここへ向かっている道中で後ろから何者かに襲われたらしいのだ。 いきなり首の後ろを鈍器で殴られ、意識がもうろうとなり、振り返ったところにサングラス、マスク、帽子で顔を隠し、夏にもかかわらず体型のわかりにくい上
ปรับปรุงล่าสุด : 2025-04-09 อ่านเพิ่มเติม