「藍花は控えめ過ぎるんだよ。そんなに可愛くてスタイルもいいんだからさ。無自覚にも程があるよ。もうちょっと胸を強調するような洋服に挑戦するとかしてさ、白川先生をドキドキさせてやりな。あ~私も白川先生のマンションに着いていきたい。それでさ、2人のやり取りを一部始終見ていたい。考えただけでもワクワクしちゃう~」月那の暴走はどこまでも果てしなく、止まることを知らない。「あのね、私は真面目に相談してるんだからね」「めちゃくちゃ真面目だってば。もちろん、七海先生や歩夢君のこともちゃんと考えないとダメだけど、だけど私はどう考えてもやっぱり白川先生なんだよね。わかんないけど何か感じるんだよ」何か感じる……曖昧ではあるけれど、その言葉には妙に説得力があった。「七海先生はちょっと優し過ぎるっていうか何か物足りないし、歩夢君は年下で少年みたいな感じがして。ま、これはあくまで私の主観だけどね。後はさ、藍花。白川先生の部屋に行ってからだよ。考えてもわからない自分の本当の気持ちがさ、案外そこでスっと出てきたりするかもよ」「そうなのかな……。本当に答えなんて出せるのかな」「七海先生と歩夢君は藍花が好き。これは決定!あとは白川先生の本心を知って、そしたら誰が1番なのかわかるかも知れないでしょ」「歩夢君には直接告白されたわけじゃないから……。でも……うん。とりあえず、月那のアドバイス通りに頑張ってみるよ」「そうだよ、頑張れ!応援してるから。ファイト!」「ありがとう。マッサージも気持ち良かったよ」「どういたしまして。今日は興奮していつもより力が入っちゃったかもね」「確かにね」私はマッサージを終えて、着替えを済ませ部屋を出た。待合室には店長であり、月那の恋人の笹本さんがいた。「藍花ちゃん、お疲れ様」「あっ、今日はありがとうございました。月那のマッサージ、とっても気持ち良かったです。本当に代金はいいんですか?」「もちろんだよ。今日は俺達の招待だから。あのさ、ちょっと藍花ちゃんに報告があってね」笹本さんは、妙に改まって少し顔が強ばっている。緊張しているのが伝わり、私までドキドキしてきた。まだ心の準備は万端ではないけれど、私は次の言葉に期待した。「藍花ちゃん!!」「は、はい!」その勢いにつられてしまい、思わず元気よく返事してしまった。
Terakhir Diperbarui : 2025-03-21 Baca selengkapnya