宴也は試験の出来が完璧だったと自慢し、焼き鳥を食べに行こうと誘った。焼き鳥屋の向かい側、私は光貴と月花が手を繋いで小さなラブホに入るのを目撃した。その後、月花はわざわざSNSに光貴とのツーショット写真を投稿し、その背景にはあの小さなラブホが映っていた。この写真はクラス中で話題となり、広く拡散された。彼らは青春の熱い恋を思う存分に謳歌していた。一方、私は青春の最後の瞬間をつかみ取るように、ひたすら勉強に没頭し、一秒一瞬も無駄にしなかった。やがて一模試が近づき、私は気合を入れ、宴也に「今回は絶対にトップ10に入る」と約束するほど意気込んでいた。宴也は競技試験で推薦入学を勝ち取っていたが、それでもなお、大学入試を受けるために残ることを選んだ。その理由が私にはどうしても理解できなかったが、彼は何も語ろうとしなかった。一模試当日、光貴と月花は姿を見せなかった。そして二日後、私たちは彼らに何かが起こったことを知った。一模試の前日、光貴と月花は些細なことで口論になり、大喧嘩に発展した。その後、月花が走り去り、光貴が追いかけるという追いかけっこが始まった。怒りのあまり冷静さを失った月花は、遠くから近づいてくる大型トラックに気づかず、呆然とその場に立ち尽くしてしまった。幸いにも、光貴が咄嗟に反応し、月花を引き寄せて抱え込み、そのまま地面を転がってトラックを避けた。しかし、衝撃があまりにも大きく、光貴の腰が岩に激突するまで転がり続け、そこでようやく止まった。その日のうちに光貴は病院に運ばれ、脊椎骨折と診断された。これ以降、重い作業は難しくなるとのことだった。教師は宴也と私を生徒代表として花を持ち、光貴を見舞いに行かせた。病室から遠く離れたところで、私たちは中の喧嘩の声が聞こえてきた。光貴は腰に包帯を巻き、上半身を苦労して動かしながら月花の腕を掴み、必死に引き止めていた。月花は冷ややかな目で彼を見下ろし、手を振り払おうとしていた。「光貴、何度言えばわかるの?私たちはもう終わりよ」光貴はかすれた声で問いかけた。「じゃあ、俺たちの未来は?ずっと一緒にいるって約束したじゃないか」「未来?お前のこの体で未来があるとでも思ってるの?何もかも無理に決まってるじゃない」光貴はなおも彼女を放さず、言葉を続けた
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