All Chapters of 娘の命が危ないのに、夫は幼馴染とサッカー観戦していました: Chapter 1 - Chapter 5

私は苦しみながらも、司への全ての愛を胸の内にしまい込み、彼とはただの同級生として距離を取った。 もう二度と交わることはないだろうと覚悟を決めていたのに、ある夜、彼は泥酔した状態で寮の下から私の名前を叫んだ。 「夏音！俺が間違ってた！月悠なんて、俺を愛してなんかいなかった！あいつ、俺を捨てて他の男と一緒に海外に行ったんだ！」 その夜を境に、私と司の関係は一気に変化を迎えた。 後日、彼はわざわざ告白の場を用意し、私たちは卒業したら結婚することを約束した。 そして2年後、盛大な結婚式を挙げ、可愛い娘が生まれた。 結婚当初、司は良き夫であり父親であろうと努力していた。 空いた時間を全て使い、娘と一緒に過ごしてくれた。 娘の「あー、うー」といった喃語や、よちよち歩きを見守りながら目を細めていた。 初めて「パパ」と呼ばれたときには、目に涙を浮かべて感動していたほどだ。 ある日、娘が絵画教室で描いた、ぐちゃぐちゃな三人家族の絵を見せてくると、彼はそれを宝物のように大切にしまった。 泥人形を一緒に作っては、二人で笑い転げる日々。 「パパ、見て！これ、私が作った私たち家族三人だよ。上手にできたでしょ？」 娘が嬉しそうに手を叩きながら言うと、司は私の肩を抱きながら優しく褒めた。 「すごいぞ、青。本当に上手だな」 私はそんな二人を微笑ましく見守り、心の底から幸せだと思った。 あの頃は、世界で一番幸せな家庭だと信じていた。 でも、その幸せは月悠が戻ってきたことで壊れ始めた。 司は私と娘を最優先にしなくなり、家を空けることが増えていった。 私の誕生日に姿を見せないどころか、娘の誕生日ですら忘れてしまう始末だった。 娘は期待に胸を膨らませ、食卓で彼を待ち続けた。 けれども、眠気に耐えられず眠りについてしまうまで、司は帰ってこなかった。 目を覚ました娘は、小さな手で私の腕をぎゅっと抱きしめ、悲しそうに聞いてきた。 「どうしてパパ、私の誕生日に来てくれないの？もうずっと遊んでくれないし、お話もしてくれない。学校にも迎えに来てくれなくなっちゃった…… ねえ、ママ。私、何か悪いことしちゃったのかな？パパ、私に怒ってるの？」 胸が締め付けられる思いで、私は娘をぎゅっと抱きしめた。 「違うよ、青は何も悪

月悠は涙ぐんだふりをして司の腕を掴み、訴えかけた。 「司、夏目はどうするの？」 司は私を力強く突き飛ばし、冷たく言い放った。 「待ってろ」 その言葉の後、彼はそばに置いてあったスコップを掴み、なんと墓地を掘り始めた。 「お前がくだらない芝居のためにここを使ってるなんて、金と場所の無駄だ。夏目の墓に使ったほうがマシだろ」 その光景を見た私は、たまらず司に向かって飛びかかった。 「司、あんた狂ったの？ここは青の墓よ！その場所に猫を埋めるつもり？」 司は私を再び突き飛ばし、吐き捨てるように言った。 「狂ってるのはお前だろうが！自分がやってることを見てみろ。少しは人間らしいことをしろよ。終わったら精神病院にでも放り込んでやる」 私は力が抜けたように彼を見つめ、呆然と呟いた。 「司、あんたに聞くけど……こんなに時間が経って、青を見つけられたの？」 司の手が一瞬止まり、こちらを睨む目には嫌悪感だけが浮かんでいた。 「警察に届けたさ。青が見つかったら、お前のついた嘘がどうなるか見物だな」 私は苦笑しながら答えた。 「そんな手間、必要ないわ。ほら、あそこを見てみなさいよ」 司が私の視線を追うと、こちらに向かって歩いてくる年配の男性が見えた。 「先生、どうしてここに？」 司はその姿を見て驚いた声を上げた。 林先生は近づくなり、司の頬を激しく打った。 「どうして来たかだと？私が来なければ、お前のような愚かな弟子がどんな失態を犯しているか、分からなかっただろう！」 林先生の目からは悔しさの涙が溢れていた。 「青は死んだんだ。お前という父親が不在だったのはもう仕方ない。だが、今度は自分の手で娘の墓を荒らすなんて……こんな父親がいていいと思うのか！」 司の顔は真っ青になり、手にしていたスコップがガシャンと音を立てて地面に落ちた。 彼は震える手で林先生の腕を掴み、問いかけた。 「先生、本当なんですか……全部、本当のことなんですか？」 林先生は彼の手を振り払い、冷たく言い放った。 「私の言葉も信じられないのか？私がお前を騙す必要があるとでも思うのか？」 そのとき、司の携帯が鳴った。 電話に出ると、相手は警察からの連絡だった。 「白羽さん、調査の結果ですが……お嬢さんは四日前に急