「お姉ちゃん、何やってんのよ!」「何度も言ってるでしょ、病気なんかじゃない!病院なんか行かない!」激しい言い争いの後、ユキは怒り心頭で私を突き飛ばし、私が投げ捨てた花束を慌てて拾い始めた。彼女が花束を拾い上げるにつれ、花の中に隠されていた薬が床に散らばった。エイズの抑制剤、梅毒の治療薬......今日はユキの22歳の誕生日。幼い頃から一緒に育ってきた妹のために、私は盛大な誕生日パーティーを企画し、たくさんの友達を招待した。もちろん、ユキの彼氏の神埼典和も来ていた。しかし、こんな特別な日に、神埼典和は皆の前で、とんでもない花束をプレゼントしたのだ。みんなは二人のちょっとしたお遊びだと思って、フフフと笑って済ませていた。だけど私は、ユキが手に持っている花束を見て、おかしく感じた。神埼典和は普段は頼りない男だけど、こんなわけのわからない物を贈ってきたことは一度もなかった。どうして今日に限って?しかも、プレゼントを渡す間、ユキに何度も「必ずこの薬を使うように」と念押ししていた。ますますおかしいと思い、私はユキを脇に連れて行き、病院で検査を受けて安心したいと伝えた。ところが、ユキは私がわざと彼氏を攻撃していると思い込み、病院へ行くのを拒否しただけでなく、皆の前で私を嘲笑した。「ユリ、もしかして被害妄想じゃないの?これは私たちカップルのちょっとしたお遊びよ」「どうして私にだけプレゼントして、お姉ちゃんにはくれないの?典和は私のことが好きだからプレゼントしてくれたのよ。結婚に失敗したお姉ちゃんには、こういうことわからないでしょ?」そう言うと、周りの人たちも笑いながら仲裁に入ってきた。「ユリ、俺も二人のちょっとしたお遊びだと思うよ。余計な口出しはやめよう」みんなが自分の味方だとわかったユキは、神埼典和の腕に抱きつき、自信満々に言った。「典和はすごく優秀だから、絶対に変なことなんてしないわ。病院で検査なんてしない。二人の信頼関係が壊れちゃう」神埼典和はユキの頭を優しく撫でた。「そうだ、病院には行かない」そう言うと、二人は皆の前で濃厚なキスを始めた。熱烈にキスをする二人を見て、私は戸惑い、もしかしたら自分が間違っていたのかもしれない、ただの若いカップルのじゃれ合いなのかもしれないと思った。その時
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