All Chapters of もう君の兄をやめたい: Chapter 11 - Chapter 12

清子をなんとか寝かせた後、僕は美月に電話をかけた。僕たちの結婚式は来年の初めに決まった。電話を切った直後、清子がドアの外に立っていた。「兄さん、美月と結婚するの？」彼女は呆然と僕を見つめていた。僕はため息をついて言った。「清子、もう遅いから、寝る時間だよ」彼女は僕に抱きつき、唇に乱暴にキスをした。「兄さん、私のことが好きなんじゃないの？どうして他の人と結婚するの？あなたは清子と結婚しなきゃダメだよ」僕はゆっくりと彼女を押しのけ、「清子、そんなことを言わないで」僕は振り返ろうとしたが、清子は自分の服を脱ぎ、僕に抱きついてきた。「兄さん、兄さん、白枝拓海、結婚しよう、お願い」彼女の騒ぎに僕は眉を揉みながら言った。「清子、まず服を着なさい。ふざけないで」「白枝拓海、私、嫌いになったの？」「私がもう汚れているから、嫌いになったんでしょう？」 僕は目を閉じたまま、ベッドの上にあった布団を手に取り、清子の体にそれをかぶせた。「清子、僕は絶対に君を嫌いになったりしない」「じゃあ、どうして僕と結婚したくなくなったの？」彼女の涙が布団に落ちた。「前はただのわがままだった。好きっていう意味がわからなかったけど、今はわかった。ほんとうにわかった」「この世で私に本当に優しいのは、兄さんだけで、兄さんだけが本当に私を愛してくれている」「兄さん、結婚して、一緒にここを離れて、誰も私たちを知らなくて新しい場所で生きよう」「昔のように、また二人で支え合って生きよう」僕は彼女の涙を優しく拭った。「清子、いい子だから、僕はずっと君の兄さんだよ」そう言って、僕は部屋を出た。確かに僕は清子を好きだったし、愛していたこともあった。でも、あの日、彼女が信じていた「彼氏」を選んで、僕の説明を一切聞かなかった時、その好きという気持ちは少しずつ崩れていった。そして今、時霓云と一緒に過ごしているうちに、僕は気づいた。本当の好き、本当の愛情というのは、僕が思っていたようなものではないのだと。以前は清子だけが僕のそばにいて、気づかないうちにすべての感情を彼女に注いでいた。そのせいで、僕は恋人の愛と家族の愛の区別がつかなかった。