離婚後、俺は娘を迎えに行き、彼女を新しい家へ連れてきた。 毎朝、俺は娘を幼稚園へ送り、帰りには迎えに行く。 週末になると、美智瑠とも協力して娘を遊園地に連れて行くことがあった。 その日も、三人で楽しい時間を過ごした後、美智瑠がスマホを取り出し、三人で写真を撮ろうと言った。期待に満ちた表情だった。 しかし、彼女がその写真をSNSに投稿しようとしているのを見て、俺は静かに首を振ってそれを止めた。 かつて、俺はどれだけ彼女のSNSに自分の存在を載せてもらいたいと願っただろうか。 自分や娘が彼女の生活の一部として、彼女の投稿に映ることをどれほど望んだか。 だが、その願いはすべて冷たく拒まれた。 恭一が初めて彼女のSNSに登場した日、俺の心は完全に凍りついた。 その瞬間から、俺は彼女の心の一部にいたいという願いを捨てた。 今では、それすらもどうでもよくなっていた。 娘が遊び疲れて俺の腕の中で眠りに落ちると、俺は彼女を抱えたまま美智瑠に別れを告げた。 別れ際、美智瑠はいつも何かきっかけを探すように、再び一緒にやり直せないかと望みを託しているように見えた。 だが俺はいつも同じ答えを繰り返す。 「仕事が落ち着いたら。また暇になったら連絡するよ」 俺が彼女を愛していたのは、あの日の草むらに倒れ込んでいた時までだった。 これからの人生、俺が望むのはただ一つ。 娘が幸せに、笑顔で成長していくこと。 生きて彼女の笑顔を見届けられること、それだけが、俺の残りの人生の最大の慰めだ。
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