真悠は昔から、姉である私を貶めるのが得意中の得意だった。両親の失くしたお金は「お姉ちゃんが盗んだ」ことになり、真悠が抱きついていた男モデルも「お姉ちゃんが紹介した人」で、階段から転びそうになったのも「お姉ちゃんに突き飛ばされたから」さらには、自分が囲っていた男との間に子どもができたことまで「お姉ちゃんに薬を盛られたせいだ」と責任を押し付けた。そして、誰もが真悠の言葉を信じるのだ。私の元彼だった智明ですら。「澪、お前はどこまで恥知らずなんだ!」母親からの電話の声は怒り狂っていて、まるで私を食い殺そうとしているみたいだった。「真悠は来月、智明と結婚するのよ。それなのに、あの子をバーなんかに連れて行くなんて何考えてるの!裸で男を誘うのは勝手にすればいいけど、真悠を巻き込むな!どうしてお前みたいな恥知らずを私が産んだのかしら!」母親の罵倒はどんどんエスカレートしていく。私は悲しい気持ちを抱えたまま、電話を切るしかなかった。最初の頃、両親は優秀だった私を信じてくれていた。でも、真悠が繰り返し吹き込む中傷に、次第に心を蝕まれてしまったのだ。以前の私は必死で反論しようとしていた。けれど真悠は、表向きは「お姉ちゃん、先に部屋に戻ったほうがいいよ。お母さん、怒ってる時は逆らわない方がいいから」と優しく諌めるような顔をして、その裏で両親にため息混じりでこう言うのだ。「お姉ちゃん、いつも問題ばかり起こして、自分が悪いとすら認めません。本当に親不孝ですよね……」その結果、私と両親の関係はどんどん悪化していった。一方で、真悠と智明の仲はどんどん深まっていく。ある時、偶然、彼女がシャワー中に智明とテレビ通話をしているのを耳にして、初めて自分がどう扱われているかを知った。「智明さん、こういうの、好き?お姉ちゃん、この格好で他の彼氏たちにも見せてたみたいだけど、智明さんには見せてくれた?」もちろん、私は智明に振られた。その後、真悠と智明はすぐに婚約を結んだ。私は実家を出た。もう二度と家族たちと顔を合わせなければ、新しい生活を始められると思ったからだ。でも両親は違った。毎日電話で文句を言われ、番号を変えてもすぐに突き止められた。さらには私を害悪扱いして警察に届け出る始末。そんな過去を思い出すたび、胸が引き
Last Updated : 2024-12-09 Read more