腐った死体のような匂いのする白いご飯を前に、私は思わず眉をひそめた。「お母さん、食べなくてもいいか。井戸水で作ったご飯が臭いよ。後ろの山の清水を使えないか?」これは井戸水が臭くなり始めた頃で、兄が大病から回復して二年目のことだ。我が家の庭の中央にある井戸は、兄が病気になるまでは、いつも甘くて美味しい水を湧き出していた。我が家に遊びに来た人はみんな、その素晴らしさを絶賛していた。しかし、兄が病気から回復して以来、井戸の水は日増しに吐き気を催すようになった。この水が明らかに生活用水として適さなくなっていても。母は私の反対をまるで聞き入れず、ひたすらこの水を使い続けた。「何でも約束するわよ!このご飯は絶対に食べなさい!」母の顔には冷酷な怒りが浮かんでいた。私は恐怖で身を縮めた。この二年間、母は私にとても優しかった。そのおかげで、私は母がかつて私にどう接していたかをすっかり忘れてしまっていた。今、彼女の顔に浮かぶその表情こそ、かつて私に向けられていた彼女の常の顔だった。私の家は男尊女卑の風潮が根強い。それは私が生まれた時から心に深く刻まれている事実だ。正確に言えば、それは我が家だけの話ではない。村全体がそういう考えに染まっている。村の人々の目には、自分の娘は他人の息子にさえ及ばない存在なのだ。男であるだけで、村では圧倒的な地位を持つ。母は言った、「男は天だ」と。「兄さんと肉を取り合うなんて許されないわよ」「男は天だ。兄さんが何を言おうと、あなたはそれを必ず実行しなければならないの」男は天だから、十年前の地震の際、私は廃墟の中に置き去りにされた。壊れた壁の残骸越しに、父と母が体で兄を守りながら外へ走り去る姿を見た。まるで幸せそうな三人家族のように見えた。兄は男だから、家の中ではすべての資源が注ぎ込まれる対象だ。私は羨むことも、不満を感じることも許されなかった。それが当然のことだからだ。だからこそ、兄が重病と診断された時、家族全員の「天」が崩れ落ちたのだ。兄は骨と皮だけになり、目は深くくぼみ、まるで十年間アヘンを吸っていたかのような姿になった。できる限りの医者を探したが、どの医者も「この病気は治せない」と口を揃えた。末期の癌だった。ただ死を待つ運命しか残されていなかっ
Last Updated : 2024-11-26 Read more