「801号室の方、おめでたいのは分かりますが、そんなに大勢の親戚や友人を呼んで、夜通し麻雀やカラオケをする必要はないでしょう!」「何日も騒ぎ続けて、周りの住民から苦情が殺到しています。夜中の2時半までリビングで歌っていたそうで、マンション中の人が眠れなかったと」「よその家は結婚しても、せいぜい夜半までで、後は家に帰って休むでしょう。どうしてあなたたちだけ何日も騒ぐんですか?家があなたのものだとしても、周りの住民もいます。夜中に騒ぎすぎると、皆怒ってしまいますよ。今後、ご近所付き合いはどうするつもりですか?」「私たち管理人も困っています。少しは自粛してください。昼間麻雀をするのは構いませんが、夜は静かにしてください!」今日は休日で、昼までゆっくり寝ようと思っていたのに、朝早く知らない人からの電話で起こされてしまった。相手が責めるような口調で話すので、何が何だか分からず、「何ですか?......どちら様ですか?間違い電話じゃないでしょうか?」電話の相手は自己紹介を始めた。「藤原彩様、周口市百合苑6号棟801号室のオーナー様でしょうか?私はここの管理人です」「以前、名義変更の手続きをされた時に、ラインを交換しました。管理組合のグループチャットにも招待しましたが、普段住んでいないとのことで、参加されませんでしたね」「ご結婚おめでとうございます。でも、周りの住民への影響も考えてください。責めているわけではなく、注意喚起です」この話を聞いて、ますます頭が混乱した。誰が結婚したっていうの?私が?落ち着いて考えてみると、3年前に百合苑にマンションを買ったことを思い出した。当時は結婚するつもりで買ったが、その後別れて、一度も行っていない。この2年間は実家で暮らしていて、あのマンションを売ろうかとも考えたが、その後、マンションの価格が暴落したので、売却すると損失が大きすぎるため、考え直した。それなのに、誰かが私のマンションで結婚式を挙げているだと?「絶対に何か間違いです!彼氏すらいないのに、結婚できるわけないでしょう!」電話の相手は、大きく息を吸い込んだ。怒りを抑えているようだった。きっと、私が言い訳をしていると思ったのだろう。「では、藤原さん、長話はしません。マンションの入り口と廊下、エレベーターの防犯カメラ
最終更新日 : 2024-11-26 続きを読む