「そのポーズのまま、動かないで!」カメラの中では、制服を着た女の子が床にアヒル座りをしている。少し仰いだ顔に、前傾した体。そして、恥じらいと誘いが半分ずつ混ざった桃の花のような目で俺を見つめていた。俺は彼女の横に立ちながら、この角度から彼女が着ているクマ柄の下着が見えた。それに、目を奪われるほどの胸の谷間も。カシャッと音を立てて、シャッターを切った。「いいね、表情もポーズも完璧だ。すごく綺麗だよ」目の前の女の子は上村美波という名前で、近くの大学街の学生だ。彼女はカメラの中に映る、完璧な「ネットアイドル風」の自分を見て、目の中に一瞬の驚きがよぎった。「齋藤さんの指導が良かったからです!」彼女はうつむきながら、小さな声でそう言った。俺は思わず笑って、「褒めすぎだよ。俺なんか、美波ちゃんの魅力の三分の一も引き出せてないよ」と言った。上村の顔はさらに赤くなり、ネガを確認した後、店員に連れられてレジに向かった。俺はその間、隅っこで一服することにした。卒業後、俺は家の近くでこの写真スタジオを開いた。スペースは広くないが、料金は安く、サービスも良いおかげで、ずっと商売は順調だ。最近、ネットアイドル風が流行っているから、スタジオのクローゼットにはいろんな衣装を用意しておいた。制服、チャイナドレス、白タイツや黒タイツまで、なんでも揃っている。そのおかげで、噂を聞きつけた女子大生たちがますます増えてきた。タバコを適当に一本吸い終えた俺は、仕事に戻ろうと思った。だが、カメラを手に取った途端、助手の森田が慌てた様子で駆け寄ってきた。「ボス、ちょっと問題が起きました」「何があった?」「さっきの上村ですよ。レジでずっとグズグズしてて、結局お金を払ってません……ボス、ちょっと見てきてもらえませんか?」俺が玄関に行くと、上村の泣きそうな声が聞こえてきた。「ただで撮ったわけじゃないし、少し待ってほしいだけなんです!」「上村さん、うちは掛け売りは一切受け付けておりません」「掛け売りじゃないってば!」上村とスタッフが言い合っていて、彼女の目は真っ赤になっていた。俺の姿を見た途端、彼女はまるで救い主を見たかのような顔をした。「齋藤さん!」上村は俺の腕を掴んで、「私……」と言いかけた。「全部聞いて
Last Updated : 2024-11-13 Read more