「今日ここに立てたのは......」恵楠の目に涙が溢れ、壇上で声を詰まらせながら泣き出してしまった。「私がここにいられるのは、ある一人の方のおかげです。彼女は今日ここには来られませんでしたが、この栄誉は彼女にも属するものです。その方の名前は温井海咲です。彼女は私を救い、そして私たち全スタッフを救ってくれました。彼女がいなければ、今の私はありません。この栄誉を共に受けるべき人、それが温井監督です!」その言葉が終わると、会場からは再び大きな拍手が巻き起こった。海咲はその言葉を聞きながら、これまでの苦難の道のりを思い出し、涙が自然と目に滲んだ。彼女の心に響くものがあり、共感せずにはいられなかった
最終更新日 : 2025-01-13 続きを読む