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第4話

著者: 小田綾乃
last update 最終更新日: 2024-11-21 13:43:52
着信音を聞いた瞬間、不安感が胸を突き上げた。これは両親専用に設定した着信音だったのだ。

こんな時に両親が電話してくるなんて......何かあったのだろうか?

眉間に青筋が浮かび、脈打つように跳ねている。胸の中のざわめきを必死で抑えながら、私は男性を突き飛ばし、震える手でスマホを掴んだ。

慌てて通話ボタンを押し、耳元に当てた。

電話の向こうから冷たい女性の声が響いた。それはまるで死神が判決を告げる声のようだった。

「浅川紗月さんですか?ご両親が交通事故に遭われました。至急、国立病院までお越しください」

その言葉が耳に入ると、まるで雷に打たれたように、スマホが力なく手から滑り落ちた。

頭の中が真っ白になり、冷水を頭から浴びせられたかのように呆然とした。

恐怖と不安が押し寄せ、もう欲望どころではなかった。私は急いで身を起こし、服を拾い上げた。

「奥様、どこに行くんですか?」

男性が腕を掴んで離そうとせず、詰め寄ってきた。

私は彼の手を振り払い、怒りを込めて叫んだ。「放してよ!」

その言葉を投げ捨て、背後の彼がどれほど怒り狂おうとも気にせず、病院へと猛ダッシュで向かった。

息を切らしながら病院を探し回り、やっと両親の病室を見つけた時、ベッドの上で無事な姿を見て、張り詰めていた胸がようやく解けた。

私は母のやせ細った体を抱きしめ、こらえきれない涙を飲み込んで、震える声で尋ねた。

「一体何があったの?」

母は私の肩を軽く叩き、優しい声で慰めた。「大したことじゃないのよ。お父さんの腕にちょっと車が当たっただけで、包帯を巻けばすぐ治るわ」

父の様子を確認しようと振り返ったが、彼は冷たく鼻を鳴らし、一瞥もくれなかった。

「お前の離婚ってどういうことだ?」

どうして離婚のことを知っているのだろう?

私は、時間をかけてゆっくり話すつもりだった。突然言うと受け止めきれないだろうと思ったからだ。

「彼のInstagramを見なければ、いつまで隠し通すつもりだったんだ!」

父は怒りに任せて机を叩き、顔を赤くしていた。

母はその場を和らげるように「お父さん、そんなに怒らないで。紗月にも何か言いにくい事情があったんじゃない?」と言った。

そして、母は私の手を握り締め、優しい口調で続けた。「離婚のことを確かめに来なければ、こんな事故に遭うこともなかった
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  • 秘めた悦び   第1話

    薄暗い部屋の中、私は手足が痺れて力が入らず、全裸のままマッサージベッドに伏せていた。屈強な男性施術師が好きなように私の体を扱いていた。彼は身を屈めて耳元にそっと噛みついてきた。「奥様、一緒に楽しめるお連れを呼んでみませんか?」羞恥心と興奮が入り混じり、胸の奥から奇妙な期待感が沸き上がった。全身が震えながらも、私は答えた。「それじゃ......一緒にやってみよう」私の名前は浅川紗月、最近離婚したばかりの30代の主婦だ。離婚の理由は、生まれつき女性ホルモンの分泌が過剰で、それを抑えるためにずっと避妊薬を飲み続けてきたことにある。数ヶ月前、お義母さんから子供を催促され、私は病院で検査を受けた。医師には「薬をやめて1年後に妊活を始めたほうが安全です」と言われた。そこで、避妊薬をやめる決意をした。しかし、薬をやめた途端、私はどうしようもなくなった。朝から晩まで男性のことばかり考えてしまった。日常生活にも支障が出るほどだった。パンツを一日に2回は替えないといけない状態で、タンポンを使わなければ恥をかく羽目になることもあった。先週、ジムでヒップトレーニングをしていたときのことだ。男性トレーナーに補助されながら、彼の引き締まった腹筋を見て、頭の中に妙な妄想が広がった。耳元を舐めたら彼は敏感そうだとか、こんなに鍛えられた体ならベッドでも絶対に凄いだろうとか。トレーニングが終わる前に、私はその場から逃げ出し、トイレでタンポンを替えた。本来なら、元夫がこういう時こそ力を発揮するはずだった。しかし、夢にも思わなかった。お義母さんに孫の顔を見せるために、彼が離婚を切り出すとは。家は私、貯金は彼――そういう条件で話がまとまった。役所から家に戻ると、私は離婚届をぼんやりと眺め、ベッド脇の結婚写真に目をやった。全てが夢のように感じた。リビングで何時間もぼうっと座り続け、何も食べず、ひたすら酒を飲んでいた。だが、飲めば飲むほど気分は塞ぎ込むばかりだった。気が付けば、すでにスカートを脱いでいた。思春期の頃から女性ホルモンの影響で性欲が強く、緊張したり落ち込んだりすると、自分を慰める癖があった。試験中には、両脚を組み替えながら僅かに動かすことを密かに楽しんでいたほどだ。特に人目のある場所で、大腿を締めたり緩めたりしながら

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