第7話

夜。

私は清月から渡された紙くずを開いた。

「澪、私のために何もしないで、この場所でとある物を取ってきてくれる？」

翌日。

清月が亡くなった。

晴れた朝に死んだ。

ニュースでは、木村祥太が刑務所に入ったと報じられた。

清月に付き添っていたあの男だ。

彼は未成年者を誘拐し、脱税し、会社の資産を移転するなど、私には理解できない罪で起訴された。

その晩餐会では、彼はまだおどけたように話していた。

本当に成功した人のようだった。

その後、ネットには彼の強姦する様子を撮影した動画が溢れた。

何十本もの動画の中には、清月のものもあった。

清月は彼に押さえつけられ、セクシーな衣装を着ていたが、すぐにその衣装は破られた。

私の印象の中では、清月はいつも淡々としていて、話し方も優しかった。

しかし、その動画の中での彼女の苦しい叫び声は、私の耳膜を突き破るようだった。

それは白井万里が私に見せてくれた動画だった。

十八歳の普通の日、白井万里は優しく私に座るように言った。「澪ちゃん、叔叔と一緒にちょっと見てくれ」

画面には清月が強姦される様子が映し出されていた。

清月の顔は映っていたが、男の顔はモザイク処理されていた。

私は呆然として、しばらく白井万里の方を見た。

彼は奇妙な笑みを浮かべ、その真の姿を見せた。「澪ちゃん、私がなぜ君たちを養っていると思う？私はいつも損をする商売はしない」

私は椅子を持ち上げて彼の頭に叩きつけようとした。

白井万里は私よりもはるかに体格が良く、私を一蹴りして、二発の平手打ちを食らわせた。

「南里澪、よく聞け。お前が言うことを聞かないと、あのくそババーなんか、指一本で殺せるんだ。清月の動画も私の手の中にある。いつでもネットに上げてやる」

私は大声で泣き崩れ、地面にひざまずいて頭を下げた。

白井万里に彼女を解放してくれと、卑屈に頼んだ。

白井万里は私の髪を掴んだ。「分かるか？お前の十八歳の誕生日、その時には誰にお前を渡すか決めていた。しかし清月が私に頼んできたんだ、地面にひざまずいて。あの様子、いやあ、可哀想だったな」

彼は近づいてきて言った。「その後の半年間、誰かお前の分までやったの？分かるか？」

その数日間、私は常に吐き気を感じ、胃の中から血を吐きそうだった。

今、この動画はネットに流出している。

全ての女の子の顔ははっきりと見えるが、木村祥太の体はモザイク処理されている。

私は全身が痙攣し、呼吸が止まりそうだった。

たくさんの人が木村祥太の醜悪さを非難していた。

しかし、もっと多くは悪意のある推測だった。彼らは女の子たちの体型や見た目を勝手に評価していた。

お金を出せば、彼女たちは娼婦のように横たわるのだと。

さらに、彼女たちの本当の身元が暴露された。

世界は逆転している。

清月のような素晴らしい女の子が、死ぬまで虐待され、死後さえ安息を得られない。

私は白井万里に電話をかけ、声を絞り出して彼を問い詰めた。

彼の声は自慢げだった。「そんなに気にするな。動画はどうせ公開されるつもりだ。これが私を助けてくれたよ」

私は全身の血液が逆流するのを感じ、目の前に残像が見え、一枚の刃が四肢に突き刺さった。

喉が水で塞がれ、一言も言えなかった。

天がどうして暗くなったのか分からないが、月がどんどん明るくなっていくのだけは覚えている。

包丁を手に、私は外に出た。

静かに待ち、白井家の別荘の門を見つめていた。

そして、ついに久しぶりに、あの畜生の白井万里を見つけた。

彼は一人の清楚な少女を連れて出てきた。

私はまるで十六歳の自分を見ているようだった。

彼女は絶望的に苦しみながら、私のためらいや臆病を問い詰めていた。

白井万里は全ての苦しみの始まりであり、私の苦しみは終わらないが、未形成の苦しみを終わらせることはできる。

私は脇にある刃物に手を伸ばし、彼の方へ突進した。

白井万里は私を見て驚いた。「お前はなんでここに......」

私が彼に近づく前に、一群のガードが現れて私を地面に押さえつけた。

湧き上がる怒りが渦巻き、私は幼い獣のような悲鳴を上げた。