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第3話

作者: 藤山茉子
再びおもちゃの振動音が響き始めると、私はもう何も考えられなくなっていた。

彼はすぐに使い方を覚え、わずか数分で私を完全に支配した。

私は目の前の男が不法侵入した泥棒だということをすっかり忘れてしまった。

むしろ、心の中では彼に続けてほしいとさえ思っていた。

彼は本当に上手だ。短時間で汗だくになりながら「もうやめて」と私を言わせた。

「まだ足りないよ。本当の快楽はまだこれからだ」

男はまるで悪魔のように囁き、強烈な刺激が私を苦しめ、同時に最高の快感へと誘った。

まるで目の前に白い光が瞬くような感覚だった。

正直に言うと、私はこれまで何人かの恋人がいたし、結婚して子供もいる。

だが、こんなにも気持ち良かったことは一度もなかった。

私は荒い息を吐き、彼のたくましい腕を強く掴んだまま、ぼんやりとした意識の中で尋ねた。

「あなた、誰?」

唇を噛み締めながら、必死に「彼にすべてを委ねたい」といった考えを抑え込もうとした。

快感を楽しみながらも、自分の恥知らずさを内心で唾棄していた。

見知らぬ男に身を任せたいなんて......

これが彼の前戯であり、すぐにさらなる激しい嵐が訪れるのかと思った。

しかし、彼は何もせず、私が完全に力を失った時点で動きを止めた。

彼は何も言わず、ただそっと私を抱きしめた。

「気持ち良かった?楽しめた?」

彼の声は以前と違い、あの支配的な雰囲気はなく、むしろ私をからかっているようだった。

もし明かりがついていたら、鏡の中で真っ赤に染まった自分の顔が見えただろう。

この男は一体誰?なぜこんなことをするの?

疑問が次々と浮かんだが、思考が追いつかない。

妊娠中は元々眠気が強くなるし、この刺激でさらに眠気が襲ってきた。

私はそのまま意識を失い、深い眠りに落ちた。

翌朝目が覚めると、隣にはもう彼の姿はなかった。

明徹と別れることが決まって以来、夜はいつもよく眠れなかったが、昨夜は久々にぐっすり眠れた。

思わず自分の体を確かめてみたが、綺麗なままで、ベタついた感じもない。

もしかして、昨夜のことはただの夢だったのか?

少し恥ずかしくなりながら考えていた。

男に飢えているあまり、こんな夢を見たのかもしれない。

そう思い始めた時、ベッドサイドに置かれた水のグラスが目に入った。

昨夜、寝る前に水を置いた記憶
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