第4話

木の上のセミの鳴き声が止まず、葉が風に吹かれてサラサラと音を立てるのが耳に響いている。

私は椅子に横になって仮眠をとっていると、ぼんやりと遠くでこそこそ話す声が聞こえてきた。

私は起き上がって木の遮蔽を借りて、体を横にしてそっと見た。

あの男と女が抱き合っている。

「翔太、あなたは本当に麻衣のことが好きになったの？」

「そんなことないよ。俺が一番好きなのはお前だ」

美咲が甘えた声で言った。

「嫌い～じゃあ、あなたはいつ彼女と終わらせるの？」

美咲が言い終わる前に、翔太はもう彼女の口をふさいでいた。

私はとても怒った。

寮に走って帰り、私は迷わずこのことを麻衣に伝えた、彼女が少しでも傷つくことを許せない。

しかし麻衣は私の言うことを全然信じてくれず、ずっと翔太の言い訳をしていた。

結局、私たちはこのことで、何でも話せる仲から全く交流がなくなった。

もしこれから起こることがなかったら、私たちは多分今後ずっと話さないだろう。

「すべて翔太のせいだ！彼は最低の男だ！」

「これから何が起こったの？」

傍らの警察が私の怒りの爆発を遮って、続けて言った。

翔太の浮気の証拠を捕まえるために、私は彼を尾行し始めた。

夜の自習室はとても静かで、突然私の目の前に一人が走ってきて、力いっぱい私を引っ張って外に連れ出した。

「早く行こう、間に合わない！」

私のルームメイトだ。

私は何も分からないまま彼女に連れられて走った。

グラウンドにはたくさんの人が集まっていて、彼女は私を連れて突っ込んだ。

目を凝らして見ると、麻衣だった。彼女の全身は汚れた水と臭いのする水でびしょびしょになっていた。

彼女の前には威勢の良い女の子たちと翔太が立っていた。

先頭に立っている女の子は私は知らないが、美咲ではない。

そばには微笑んでいる翔太も立っていた。

「麻衣だろう、今日は浮気女の末路を見せてやる、翔太は私の彼氏だ、毎日彼を誘惑するな」

その女の子は言いながら翔太の手を腕に組んだ。

麻衣は怒りの表情で言った。

「翔太、これはどういうこと？」

翔太の表情は仕方なそうで、両手を前に平らに伸ばし、彼も女性のことには関わりたくないらしい。

先頭の女の子は足を一歩踏み出して、私は飛び込んで止めた。

私は彼女を見て言った。

「用事があるなら言えばいい、手