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Novel-novel oleh Mr.Z

フォールン・イノベーション -2030-

フォールン・イノベーション -2030-

"2030.06.01" 世界初のある事が日本にて行われた。 "最新型AIの総理大臣就任" 衝撃的ニュースから3か月後、"大学3年の三船ルイ"はやる事を終え、"幼馴染のユキ"と会って久しぶりに外食をしている時、『AI総理大臣は新たな経済対策を発表しました』という意味深な速報を目にする。 直後、"AIアンドロイドに人が食われて死ぬ"というありえない事件を目にした二人は、この新経済対策の"本当の恐怖"を知る事になる――。
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Chapter: 27. 死撃
「どうするよ!?」「これだと私たちも危なくない?!」 二人が慌てる。 ⋯⋯落ち着け、このタイミングになんでこんな事が⋯⋯。「二人とも落ち着け! 警護だってまだいる」「あ、あぁ」「そうだけど」 こういう時こそ、情報を一旦整理しといた方がいい。1階に"ヤツら"が入って来た事はおそらく間違いない。警護部隊が弱ければ、ここにも来る可能性はある。この可能性は低いと信じたいけど。 そして、もう後3分で23時。保護管理契約書によると、"朝8時~夜23時まで"しか警護はされていない。ここには女子が多い、誰もが自分の身を自分で守らなくてはいけない時間になる。 そもそも、この警報はホテル内に響き渡っているんだ。小柴たちだって慌てているってのが普通。 だったら、なぜヒナに通話が繋がらない? あっちでも既に何かあった? ⋯⋯どうする。「俺は"4528の部屋"へ行く、二人は1階の援護に行ってくれ」「ルイ一人で!? 警護がいるなら、あっちは任せて私たちも一緒に行った方が」「本当はそうしたいけど、下が全滅する可能性も捨てきれない。そうなったら⋯⋯もうここは終わる」「んじゃ、すぐ終わらせてそっち行くからよ! ひなひーを頼んだぜ!!」 シンヤが先にエレベーターの方へと走って行く。「あ、シンヤ君!?」 ユキが一瞬、俺の方を見た。「⋯⋯無茶しちゃ、ダメだからね」 こうして俺たちは二手に分かれた。どの場所も真っ赤な光が点灯し、警報が激しく鳴り続ける。その度に心臓の鼓動が速くなり、嫌な予感が脳裏を過る。 45階に着き、奥を見ると、なぜか一つだけドアの開いている部屋があった。急いで行くと、そこは"4528の部屋"だった。 中に侵入するとそこには⋯⋯誰もいなかった。そんなはずがない、だってヒナは⋯⋯。 突如部屋の時計が鳴り、23時である事を示す。探してもヒナが全く見当たらない。近くの部屋からも、物音すら聞こえない。おかしい、何かがおかしい。 俺はすぐにユキに通話してみる事にした。これは何かがおかしい。「⋯⋯なんで⋯⋯なんで!!」 あいつがこんなに出ないなんて初めてだった。シンヤも出ない。どうして二人出ない!? 例え繋がらなくとも、不在着信には決してならない。「⋯⋯んだよこれ⋯⋯ユキッ! シンヤッ! ヒナッ!!」 今から1階に行く? いや、そしたらヒナは?
Terakhir Diperbarui: 2025-04-17
Chapter: 26. 警報
「おいあんちゃん! すげぇなぁさっきから! 細いのによぉ!」「うっ⋯⋯はぁ⋯⋯まだまだ⋯⋯ですよ」「頑張ってるところわるいけどよ、ずっといるあの子はあんちゃんの彼女か?」「⋯⋯ちがい⋯⋯ます⋯⋯よ!」「ほぉ~、ずっとあんちゃんの事見てるけどなぁ」 一瞬視線を向けると、確かに俺の方だけをずっと見ていた。そして周りを見ると、男全員があの子に目を向けている。そりゃこんな男臭いフィットネスジムに、あんな格好の女の子がいるなんて異様だぞ。いつもより気合い入れて、見てもらおうとしてるヤツも何人もいる。俺は続けていた懸垂を一旦やめ、みんなが見ているあの子へと近寄る。「なぁ、目立ってるぞ」「はい、知ってます」 ツインテールの女子は上目遣いで言ってくる。「こんなとこに座ってたって暇じゃないか? "あの時間"まで他のところいたっていいんだぞ」「それもいいんですけど、今はルイさんの傍にいたいと言いますか⋯⋯その」 急に頬を赤くした彼女を見て、周りがざわつく。正直この顔は反則なほど可愛い。でもそのせいで、さらに目立ってるんですけど。 と思っていると、ジムの入り口が開き、ある人物が入って来た。次はその人物へと全員の視線が移る。「おい、あの子もめちゃくちゃ可愛いぞ」「誰の知り合いなんだ?」と一段騒がしくなる。「こんなとこにいた! トイレじゃなかったの、ルイ」「気付くの早すぎだろ⋯⋯」「そりゃね。位置共有してるでしょ、私たち」 そうではあるけど早すぎる。でも、そんな怒ってなさそうな顔をしてる。どちらかというと、心配しているような表情。「それで、これは一体どういう状況?」 ツインテ女子と俺を見比べながらユキは言う。「すみません、私がルイさんに助けてって言ったんです」「"ルイさん"? ふーん」 おいおい、一瞬で怒った顔になったんだけど!? なんでこうなる!?「ちょ、ちょっと待てって。俺が説明するから、落ち着けって」 仕方なく俺は、契約や小柴の件について全てをユキに話した。後、空いた時間でトレーニングをしたかった事も。「まぁルイの事だから、そんな感じだろうとは思ったわ。ずっと考えてる顔してたんだもの」「んだよ、それもバレてんのかよ」「また勝手に首を突っ込んじゃって⋯⋯それより、昨日は動けなくなるほど疲れてたのよ? 今日はゆっくりしないとダメじゃない
Terakhir Diperbarui: 2025-04-16
Chapter: 25. 契約
 俺は食いながらさっきの事が気になっていた。"すぐ僕のところに来るようになる"って、どういう意味だったんだ⋯⋯? それともう一つ。"契約が取れた"とか言っていた。あれも何のことだ? 分からないままに、ユエさんと話を続けた。今後の事や、他の国家研究員の事など。連絡を取れない人ばかりらしい。これは今はどうしようも無い。とりあえず、国会議事堂に近付く方法を考えるしかなかった。 あの輝星竜に近付くには、ズノウを幾ら使おうと、まだ届かない距離らしい。これについて、"裏部さん"という研究員が詳しいそうだ。輝星竜の対処法を何か知っているはず、とユエさんは言う。 ⋯⋯総理に近付くためのカギを握る人物。だが、やっぱり裏部さんも音信不通らしい。そのために、昨日は裏部さんと関係が深かった国家研究員たちと、ユエさんは会おうとしてたってわけだ。まぁ、その肝心な人たちは"もう人では無かった"んだけど⋯⋯。 「どんな事をしてでも探し出してやる」と、ユエさんはさっき車の方へと行ってしまい、確かな情報が一旦集まるまで待機となった。どれだけAIが発達しても、こればかりはすぐには分からない。SNSでいろいろ見ているが、これといって良い情報は見当たらない。あるのは、ヤツらの簡易的な情報やUnRuleについてがほとんどで、ヤツらの位置情報を報告してくれてる人もいる。中には、赤い発令がされているスカイツリーや都庁へ勇気を出して見に行ってる人も。 今や東京のほとんどの人がUnRuleを入れているようで、それについてよくやり取りされているが、ズノウについての情報はまだ少ししかない。たぶん後で広がっていくとは思うが、分かっている事については俺も情報発信していく事にした。中でも"ELに選ばれた100人"は、今や神のような待遇を受けている場所もあるようで、とんでもない事になっていた。それだけ今を生きる希望だと期待されている。 まぁ気持ちは分かる。いつ殺されるかなんて分からない今、俺だってその立場ならそうなるかもしれない。だが逆を言えば、この立場を悪用するヤツだってもしかしたら今後出てくるかもしれない。SNSの情報やリアルの情報には、常にアンテナを張っておかないと。 ちなみに、ここで俺が「ELの一人です」と言ったらどうなるんだろう? ここではまだELを知らない人が多そうではあるが⋯⋯。なんて考えは無い。
Terakhir Diperbarui: 2025-04-15
Chapter: 24. 不審
「君たち、どうかしたのか?」 突然の20億に慌てていると、一人が話しかけてきた。ヒゲを生やし、日本人っぽくない顔をした中年男性だった。「あ、いえ、すみません、なんでもないです」「そうか、何か困ったことがあったら言ってくれたまえ。ん? 君は昨日の」 男はユキを見た。「えっと、ありがとうございました。こんな良い場所を教えて下さって」 この人か、ユキが言ってたのは。「あぁいやいや、たまたま空いてたからな。とはいっても、お金は取られるんだが、足りるかね?」「はい、大丈夫です」 代わりに俺が返事をする。「ここは最低でも30万はするぞ。君らが泊まった場所は70万くらいだったか? 高校生か大学生くらいだろうに、本当に大丈夫かね?」「はい。お金はあるみたいなので」「おぉ、それは凄いな。私が呼んだ責任もあるから、初回分は代わりに持とうかと思ったんだが」「大丈夫ですよ、わざわざありがとうございます」 すると男は少し険しい表情になり、「それならあまり言う必要はないかもしれないが、一応念のためだ。もし今後払えないとなれば、すぐに警察が来て連れていかれるそうだ。その先で射殺されたと聞いている。エントランスに表記されているから、確認しておくといい」 ⋯⋯は? 連れていかれて射殺? そんなの聞いた事が無い。 あの時見たアレを思い出した。東京外へ出ようとした人が、次々に警察に射殺されてる映像。結局どこにいても安心できないのか。今後注意しておくに越したことは無い。 会話が終わるタイミングで、入れ替わるように男3人組が乱入してきた。そのうちの"太った眼鏡の男性"が口を開いた。「飯原さん、昨日の契約いけましたよ!」「おぉ、さすがだな、小柴君は」「まぁ僕は天才ですからねぇ~!」 小柴という男は突如こっちへと向く。その目は明らかにユキを見ていた。「昨日困ってそうだったから、彼らにはここを使ってもらってるんだ」 飯原さんの後、俺は軽く挨拶をする。そしたら「約束があるからまた後で」と、飯原さんは下へと降りて行ってしまった。小柴はユキへと寄る。「へぇ~、芸能人やアイドルより可愛くね? なんか動画とか配信とかやってる?」「え⋯⋯特にはやってないです」「もったいな。んじゃ彼氏はいる? まさかコイツらのどっちかが彼氏とか?」 なんだこいつは、急にナンパか? ま
Terakhir Diperbarui: 2025-04-14
Chapter: 23. 大金
 41階に降りてみると、30人くらいだろうか? 結構な人数が食べながら談笑していた。この階はレストランが並んでおり、人がゆったりする場所、いわゆるメインダイニングって場所のようだ。下の40階まで行くと、このホテルのロビーがあるらしい。 思い出したぞ。確か前までここは、"ブルガリホテル東京"っていうホテルじゃなかったか? とんでもなくクソ高いホテルだったはずだ。中はかなり改装された跡があり、名前も"ネビュラスホテル東京"に変わっている。黒と紫と青を基調とした、いかにも高級感漂うって感じだが、どこか人間っぽくない無機質さも感じる。 辺りを見回すと、ソファに座ってコーヒーを飲む"一人の白衣の女性"を発見した。あの髪型、顔、服装、どっからどう見ても"あの人"だった。「ユエさん!」「あ、起きたのね」「よかったです! さっき"4206"行ったら返事無くて、心配しました」「わざわざ来たの? そっかごめんね」「それであの⋯⋯その」 俺が言葉に詰まって俯いていると、「な~に俯いてるよ。アオ君の事、分かってるから」「え?」 ユエさんは飲む手を止め、外の景色を眺める。「どっちみち私たちは死ぬ覚悟だったんだから。運よく私が生きちゃっただけ」 その表情はどこか、気丈にふるまってるようにも見えた。大事な人を失うなんて、そうそうに耐えられるものじゃない。「ほら、まだ食べてないんでしょ? 私はいいから、しっかり食べておきなさいな。私が全部出してあげるから」「え!? いや、そんな」「いいの! 若いんだから遠慮しない! ほら、取ってき!」 ユエさんは変わらない様子で対応をしてくれた。この人の精神面の強さに、ただただ尊敬しかない。ここで俺が暗いままでいたら、逆に失礼になる。料理を取りに行く前に俺は、「あのー、ここで一緒に食べていいですか」「ここ? 別に構わないけど、私だったら本当に気にしなくていいのよ」「はい。ただ、ユエさんと話がしたくて」 俺の意見にユキとシンヤも同意した。「⋯⋯そっか。物好きな人ね」 コーヒーを飲みながら、ユエさんはそう言った。少し嬉しそうに見えたのは、俺の気のせいだろうか。 料理を取りに行くと、一つ一つ名産ばかりが使われていた。さすが高級ホテル、どれも高い。おにぎり1つ1000円って、いやどんな物使ってんだよ。 オープンキッチン
Terakhir Diperbarui: 2025-04-13
Chapter: 22. 休息
「ん~⋯⋯あ、起きた?」「起きた? じゃねぇッ! なんでそんな格好!?」「ここがホテルだから?」「え、ホテル⋯⋯?」「ここは東京ミッドタウン八重洲の中のホテルよ。どこで休もうか悩んでたら、声掛けられたの。ここは今安全だから泊まれるぞって」「へぇ。男の人か?」「うん、なんか優しそうな感じの40代?くらいのおじさん。他にも何人かいたよ」「ふーん⋯⋯ってか、なに乳揉み始めてんだよ」 ユキは突然自分の両方の胸を揉み始めた。急に何やってんだコイツ。「なんかまた大きくなったかなって、ちょっと揉んでみて?」「いや揉まねえし! 横乳見せんな!!」「えへへ、えい!」 笑いながら、今度はピンクの下着姿のまま俺に飛び込んできた。「おい! なにやって」「今日くらいはゆっくりしとこ。今は安全そうだから」 上に乗っかったまま離れようとしない。いろいろヤバいところが当たってるって⋯わざとやってんのか!?「ちょっ! ってかシンヤとユエさんは!?」「他の部屋で休んでる」「なら二人のとこ行くぞ! 一応大丈夫か、確かめないと」「え~、いいでしょ今は」「まぁ後でもゆっくり出来るって! な?」 どうにかくっつき虫を説得し、やっと服を着始める。あのままだと、お互い危ねえって⋯⋯。 時間を見ると、なんと朝の8時半だった。どうやら俺はめちゃくちゃ寝てしまったらしい。ベッドから起き上がって紫の派手な冷蔵庫の中を見ると、大量のジュースと酒と水、冷凍庫には普段買わない高い冷凍食品が入っていた。これは当分暮らすには困らない場所だろうな。 他にも暇しないような娯楽も置かれており、こうなる前に泊まれたらどれだけ楽しめただろうと感じた。何も無かった日に来たかった。 広いバルコニーに出てみる。この部屋はたぶんスイートルームってやつだろう、よくこんないいとこ貸してくれたな。下を眺めてみると人の気配は無く、ヤツらも見当たらなかった。近辺のビルやマンションを見ても、意外と静かなまま。もっと大変な事になってるかと思ったんだけど⋯⋯。「周りに誰か、いる?」 着替え終わったユキが話しかけてくる。「いや、誰も。もっとアイツらに襲われてたり、あるかと思ったんだけどな」「私もそれ思った」 嵐の前の静けさ、とかじゃないといいんだが⋯⋯。「そういや身体の方はどう?」「あぁ、意外ともうなん
Terakhir Diperbarui: 2025-04-12
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