祖母の看病を母と共にして十年、もう終わりが近づいていた。病床でやせ細っていく老人を見ていると、私の胸も締め付けられた。それでも気持ちを奮い立たせ、母と一緒に祖母の最期を看取ろうとしていた。誰も予想していなかった。十年も消息不明だった叔父が、この時期に突然病室に現れるなんて。しかも叔父だけでなく、七、八歳の子供とスーツを着た弁護士まで連れていた。いつも温厚な母でさえ、叔父を見た瞬間に顔を強張らせた。私も例外ではなく、冷たい表情で辰哉に退室を求めた。「出て行ってください。さもないと警備員を呼びます」それを聞いた辰哉は、唇を歪めて言った。「生意気な小娘が、俺に指図するとはな。どの面下げて」その言葉が終わるか終わらないかのうちに、病床から祖母の激しい咳が響いた。「みんな家族なんだから、騒ぎ立てないで。人に笑われるじゃないか」「お母さん、辰哉はこれだけの年月、あなたたちを放っておいたのに、どうしてまだ庇うの!」祖母が叔父の味方をするのを見て、母は怒り心頭だった。あの建国記念日の休暇、田村辰哉は結婚式を挙げていた時、祖父が宴席で突然片麻痺になった。私は慌てて救急車を呼ぼうとしたが、辰哉に止められた。私は医学部出身ではないが、さすがに大人として片麻痺が何を意味するか分かっていた。祖父が脳卒中になってから何年も経つのに、辰哉はいつも言い訳ばかり。仕事が忙しいだの、恋愛で忙しいだの。二人の老人の面倒を見る時間なんて、一度もなかった。ほとんどの日々、家の内外の世話は母が一手に引き受けていた。もし本当に何かあったら、結局苦労するのは母なのだ。だから私は辰哉の言うことは聞かず、断固として救急車を呼んだ。その結果、辰哉は私たちと絶縁し、そのまま国外へ出て行った。大学から社会人になったこの数年で、私もずいぶん成長した。もう辰哉と言い争うのはやめて、祖母の方を向いた。「おばあちゃんが呼び戻したんですか?」正確な住所が分からなければ、辰哉がここを見つけるはずがない。祖母は気まずそうに頷き、すぐに平静を装って言った。「今日お前たち母娘を病院に呼んだのは、死ぬ前に後のことをはっきりさせておきたかったからだよ」母はそんな言葉を聞きたくなくて、また涙がこぼれた。母は祖母を諫めるように言っ
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