霊安室で、私はおばあちゃんの遺体を見つめながら、再び涙が溢れ出した。携帯の画面には吉川莉奈から送られた動画が表示されている。動画には、深津颯人が彼女の手を握り、二人が見つめ合いながら甘い雰囲気の中で打ち上げ花火を楽しむ様子が映っていた。吉川は挑発的にこう言ってきた。「私が花火を見たいって言ったら、颯人は一晩中花火を上げてくれたの。彼が一番愛しているのは私よ!」華やかな雰囲気は病院の静寂と鮮やかに対照を成していた。胸が鋭く抉られたような痛みに襲われる。昨日は颯人との結婚式だった。だが、指輪を交換する時になって、彼は突然電話を受け、式場を急いで去ってしまった。会場の席にいたおばあちゃんはその場で血を吐いて倒れてしまった。私は必死で助けを求めたが、誰も手を貸してくれず、全員が私が颯人に捨てられたことを嘲笑っていた。颯人に何度も電話をかけたが、すべて無視された。急いでおばあちゃんを病院に運び込んだが、医者から「手遅れでした」と告げられ、おばあちゃんは永遠に私の元を去った。彼が結婚式から逃げたのは、吉川のためだった。悲しみに耐えながらおばあちゃんを火葬し、葬儀を葬儀場で行った。その時、颯人が吉川を連れて葬儀場に現れた。「どうりでこの二日間、右のまぶたがずっとピクピクしてたと思ったら、ハムちゃんが死んだよ」吉川はそう言うと、目を赤くして悲しそうな表情を作った。颯人は彼女の頭を撫でながら言った。「心配しないで、俺がずっとお前のそばにいるから」その直後、彼の目線が私に向けられた。「優奈、なんでお前がここにいるんだ?」私は冷淡な視線を向けた:「今日はおばあちゃんの葬儀だから」おばあちゃんは生前、颯人をとても気に入っていた。だから彼がおばあちゃんに謝罪してくれることを望んだ。それがおばあちゃんの安らぎになると思ったからだ。しかし、颯人は冷たく笑った。「お前の嘘を信じると思うのか?この前、医者がお前のおばあさんは健康そのもので、あと五年くらいは生きられるって言ってたぞ」私が何も言わないうちに、彼は続けて言った。「優奈、これはお前の作戦だろう?莉奈のハムスターが死んだことを知って、この霊屋を奪おうとしたんだ。でも、まさかおばあさんが亡くなったなんて嘘までついて俺の気を引こうとするとはね」
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