仕事を辞めた後、気分転換に海辺の町でアパートを借りることにした。引っ越してきたばかりのある日、お風呂から上がって部屋を出た瞬間、「カシャッ」というシャッター音が聞こえました。顔を上げると、大家がソファに座り、スマートフォンを見下ろしているのが目に入りました。「きゃっ!」思わず悲鳴を上げて胸を隠す私。「どうしてここにいるの!?」大家は私を白い目で見て言った。「ここは俺の家だぞ」シャッター音を思い出し、私はたずねた。「あの......もしかして、私を撮りました?」パジャマは着ていたものの、下着は身につけておらず、涼しげなデザインの服のせいで動くたびに見えてしまいそうな状況だった。怒りが湧き上がる私。しかし、大家は平然とした顔で言い放った。「撮るわけねぇだろ、お前なんか」私は性格が弱く、小心者なので、恐る恐るお願いしてんだ。「じゃあ、スマホを見せてもらってもいいですか?」この言葉に、彼は逆上した。立ち上がると私の鼻先に指を突きつけて、罵声を浴びせ始めたのだ。「ふざけんな!お前みたいな奴を誰が撮るんだよ!鏡で自分の顔見てみろ、ロバみたいな顔しやがって!お前の顔が撮られる価値あるって、思ってんのか?」彼の暴言はとどまることを知らず、その内容にショックを受けた私は言葉を失った。思わず涙がこぼれてしまう。一瞬、少し悔しくなりながら言った。「おじさん、優しくて話してくれませんか。このアパート、貸してくれた以上、勝手に入ってくるのは、やめてください」実は、彼が事前に何の連絡もなく、トイレを借りると言って、二回ほど来たことがあった。その時は、気にしないようにしていたのに。彼は続いてののしっていた。「俺の家だぞ。貸したからってお前のものになるわけじゃねぇ!何様のつもりだ、お前なんか国の偉いさんでもねぇくせに!」こんなにも口が立つ人に出会うとは思わなかった。私は口下手で、どう反論すればいいのか分からず、ただその場に立ち尽くして涙をぬぐうだけだった。そんな私の様子を見て、彼はますます調子に乗り、さらにひどい言葉を浴びせてきた。約十分ほど罵り続けた後、ようやく大家は満足したように口を閉じた。最後にこう言い捨てて、部屋を出て行った。「俺の家だぞ!好きな時に入って好きな時に出る、それ
Last Updated : 2024-12-16 Read more