前世、いつも自己中心的だった息子は、大学に入学して間もなく彼女を作った。彼女が家に挨拶に来たとき、その子はとても素直で可愛らしく、言葉遣いや振る舞いも申し分なかった。夫と私は、息子がようやく大人になり、ちゃんとした家庭を築こうとしているのだと思った。しかし、現実は私たちに容赦なく襲いかかってきた。息子の妻は、一見するとか弱く清楚な印象だったが、実際には極度のマザコンで、ブラコンであり、さらには虚栄心が強い性格だった。まるで悪い特性がすべて重なっているような女性だった。結婚後、彼女は私たちと一緒に住みたいと言い出した。表向きは「義理の両親の世話をしたいから」と。ところが、その裏では息子をそそのかし、私たちが贈った新婚用の家を彼女の弟に譲らせようとしたのだ。さらには、彼女の両親まで家に呼び寄せ、一緒に住ませようとする始末。私が反対すると、彼女は不満を口にするようになった。最終的に、私たちの遺産を早く手に入れたいがために、息子と嫁は私たち夫婦を旅行に行かせる名目で海外に送り出した。しかし、そこで仕組まれた事故によって、私たちは異国の地で永遠に帰らぬ人となったのだ。遺産が清算されると同時に、息子は嫁の家族を連れてあちこち旅行し、「できた婿」として振る舞い始めた。私たちの束縛がなくなったことで、彼らは自由気ままに暮らし始めた。そして今、生まれ変わった私は、目を開けるとキッチンに立っている自分に気づいた。手には食材を持っていて、息子夫婦のために朝食を作ろうとしていたところだった。前世では、息子夫婦の暗黙のプレッシャーに耐えきれず、彼らが一緒に住むことを許してしまった。その結果、待ち受けていたのは、夫と私に対する終わりのない苦しみだった!息子の高橋智則(たかはし とものり)は、大学を卒業した後、家に留まったままだった。外に出て人と交流することもなく、仕事を探そうともしなかった。彼いわく、「自分にふさわしい立派な仕事は採用してくれないし、自分を雇おうとする仕事は名が売れていなくて、給料も安いから嫌だ」ということだった。しかし、それは誰のせいだというのだろう?思えば、彼が学生の頃、夫と私は何度も言葉を尽くし、理を説き、時には厳しく叱りつけた。それでも彼は耳を貸さなかった。さらに、罰を与えた後も「俺に何
最終更新日 : 2024-11-29 続きを読む