彼女にメッセージを返信した後、私は双眼鏡を手に取り、ホテル向かいの通りを観察した。派手な化粧をした若い女性が、ハイヒールを履いて車から降りてきた。その後ろから、二人の男性が彼女の後に続いて降りてきた。よく見ると、前回見かけた二人の男だった。私は森田とその二人の男が一緒にホテルに入るのを見届け、姿が視界から消えると双眼鏡を下ろした。部屋に戻り、パソコンの前に座ってカタカタとコードを打ちながら、忙しそうに振る舞った。しばらくすると、部屋のドアがノックされた。私は急ぎ足でドアを開けに行った。目の前の女性が腰をくねらせながら私の腕にしがみつき、甘い声で「おじさん」と耳元でささやいた。その声は、聞くだけで骨まで溶けそうだった。彼女の本当の目的を知らなければ、私もこんな少女の策略に簡単に引っかかっただろう。こみ上げる嫌悪感を堪えながら、彼女の腕を軽く叩いて離れるように促した。「先にシャワーを浴びてきて。こっちはすぐ終わるから」森田が部屋に置かれたパソコンを見て、画面いっぱいに並んだコードに気づくと、目が輝き出した。彼女は驚きの表情を浮かべながらパソコンの前に近寄り、「おじさん、これ何に使うの?すごくカッコいい!」と興味津々に尋ねた。私はパソコンの前に座り、このプロジェクトについて簡単に説明した。「これはうちの会社が新しく開発したバッテリーシステムで、私はその研究開発を担当しているんだ」森田は何も知らないふりをして目を大きく見開き、手を叩きながら「おじさん、こんなにすごいなんて思わなかった!」と褒めた。彼女の目の奥に隠しきれない興奮が見えたので、私は芝居を続けて大きく笑いながら言った。「この新型バッテリーが発売されたら、敵なしだ!」「おじさん、マジですごい!大好き!」そう言いながら、森田は私の胸に顔をすり寄せてきて、手も忙しなく動かしてきた。私は彼女を軽く押しのけ、「焦らないで。まだバグが少し残ってるけど、すぐ終わるから」と説明した。森田はそれ以上何も言わず、おとなしく座って私がコードを打つのを見ていた。その間、私は画面の反射を通して、彼女が興奮した様子でスマホを操作し、いくつものメッセージを送っているのを見た。彼女の口元は耳まで裂けそうだった。おそらく、あの二人の仲間に連絡をしている
Read more