私たちの村は深い山奥に位置し、貴重な血石脈が眠っている。言い伝えによれば、血石で作られた寝台で眠り続けることで、永遠の若さを手に入れることができるのだという。血石は発見も採掘も困難を極めるため、私たちの村は豊かな暮らしを営んでいる。だが、この村には女性しか存在を許されていない。私には二人の姉がいるが、本来なら三人の兄もいたはずだった。しかし彼らはこの世に生を受けた直後に命を絶たれてしまったのである。私はかつて、氏族による男児の処刑を目の当たりにした。産声を上げたばかりの赤子の口は押さえつけられ、一筋の泣き声すら許されなかった。「男という存在は生まれながらにして卑しいもの。その泣き声が山の神様の怒りに触れれば、私たち氏族は破滅への道を辿ることになるんだ!」奥山の深い淵へと連れて行かれた男児は、そのまま水中へと投げ込まれた。わずかにもがく姿を見せただけで、あっという間に闇の中へと沈んでいったのである。私が恐る恐る覗き込んだ淵の中には、数えきれないほどの頭蓋骨が浮かんでいた。長い年月を経た骨は虫に蝕まれ、もはや人の頭蓋骨とは認識できないほど崩れていた。祖母は村の宗主として君臨し、大小すべての事柄を采配している。その命令に逆らう者など、誰一人としていない。さくら姉は十八歳。もうすぐ、成女儀式を迎えることになっているのである。ところが、普段から溺愛していたはずの祖母は、さくら姉の参加を頑として許さなかった。甘えようとしたさくら姉の頬には、厳しい平手が見舞われたのである。「生意気な!参加は認めないと言ったはずだろう」九十九という高齢にもかかわらず、祖母の腕力は衰えを知らなかった。さくら姉の頬は見る見るうちに腫れ上がっていく。愛しい孫娘の瞳に涙が浮かぶのを見て、祖母は深いため息をつくと、さくら姉の滑らかな頬に手を添えてこう語りかけた。「すべてはさくらちゃんのためなのよ。成女儀式に参加してしまえば、もう宗主の座に就くことはできなくなってしまう」その言葉を聞いたさくら姉は、喜びに満ちた表情で祖母の腕にしがみついた。「私を、宗主にしてくださるのですね!」祖母は微笑むだけで言葉を返さなかった。痩せ衰えた手でさくら姉の白磁のような腕を撫でながら、その目には年齢を感じさせない鋭い光が宿っていた。艶やかな衣装に身を包んだ少女た
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