次の日、私は退院手続きを済ませた。千夜は病院にいなかった。おそらく美空のところに行ってるのだろう。しかし、それがかえって私を落ち着かせてくれた。家に戻って荷物をまとめ、友人の紹介ですぐに部屋を借りることができた。病院にいる間に、すでに弁護士を見つけ、離婚協議書を準備させていた。新しい家での掃除を終えたところ、千夜から電話がかかってきた。私は迷わず電話を切ったが、彼は諦めず何度もかけてきた。結局、彼のすべての連絡手段をブロックしてしまった。一時的に静かになったので、私はソファに座って、テーブルの上の芽衣と栗子の写真を見つめた。しばらくして、ポケットから美空の首飾りを取り出し、光の下でしっかりと観察した。首飾りを見つけたときは慌てて簡単にしか確認せず、そのまましまっていた。しかし、今しっかりと見てみると、ペンダントの裏側に血の痕跡がはっきりと見えた。私は鑑定科で働く友人に電話し、その血痕が栗子のDNAと一致するかどうか調べてもらうように依頼した。心の中ではすでに答えが分かっていたが、この証拠があれば、美空が罰を受ける確率が高まる。その後、私は車で美空のアパートに向かった。警備室のドアをノックし、焦った様子で自分がその夜にエレベーターで荷物を落としてしまったと話し、千夜から持ち出した入居者カードを出して証拠として見せた。千夜の入居者カードは、家を掃除しているときに見つけたものだ。おそらく最近の出来事で千夜が混乱していたのか、美空の家に行くときにもカードを持っていなかったようだ。警備員はすぐにその日の監視カメラを再生した。映像の中で、美空の姿がエレベーターに現れた。彼女の手には黒いビニール袋が提げられており、時折袋の中のものが動いているのが見えた。エレベーターは下り続け、美空が1階に着くと、彼女の姿は角を曲がって見えなくなった。私の心は一気に締め付けられた。明らかに、その袋の中にはまだ完全に死んでいない栗子が入っていた。しばらくして、美空が再びエレベーターに戻ってきた。しかし、その手にはビニール袋の姿はなかった。私は落胆した、監視カメラからは美空が栗子を殺した証拠が見つからなかった。しかし、警備員は何かに気付いたようで、私に尋ねた。「お客様、探してるものはそのビニール袋の中身
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