前にも潤に離婚することを言い出したことがあるが、彼が本当に怒っているのを見るたびに、私は心を和らげずにはいられなくて、すぐ後悔して仲直りしようとしたから、彼は私がいつものように癇癪を起こしているだけだと思っていた。「潤、今回は本気よ、離婚しよう、明日の朝9時半に区役所の前で会おう」と私は言い返した。潤はすぐに返事した。「よし、そんなに離婚したいのなら、俺が叶えてあげよう」私は彼に返事をしなかった。翌朝、私と真由美が到着して間もなく、潤が春を連れてやってきた。潤と春は大学時代に付き合い、誤解から別れたが、何年経っても潤は春のことが忘れられなかった。春の腕の中にいる犬を見て、おばあちゃんの生前の姿を思い浮かべると、心臓の先に強烈な痛みが走った。潤は近くまで歩いてきて、私を一瞥し、足を上げて入ろうとした。私はかすかに言った。「ちょっと待って、真由美も離婚するんだ、豊はまだ来てない」潤は顔をしかめた。「モリ、自己満足するためには、家族全員をかき乱すつもりなの?」それを聞いた真由美は怒って彼に叱った。「離婚したいのは私のほうだよ、モリには関係ない、自分の弟がどんなモラルを持っているのか、心当たりはないの、あなたたち兄弟は二人ともダメなのよ!」春はかすかに微笑んだ。「神保さん、私たちは悪気がないから、罵る必要がないでしょう」彼女は私に顔を向けた。「潤は、あなたが西村さんの影響を受けて、腹いせに豊と離婚することを望んでいないだけだよ」私は春を睨みつけた。「あなたが潤のかわりに話す立場があるの?」春は悔しそうに潤を見た。「すみません、潤、私が失言して西村さんを怒らせたんだ」潤は深い声で言った。「モリ、もう十分だろ」私は彼を白目でみた。潤は私に腹を立てたようで、叱責した。「春のどこか悪いんだ、最初にあなたは、彼女が犬を見つけるのを手伝うのを止めて、今はわざと彼女を狙っている」春はそっと言った。「西村さん、誤解しないでください。あの日、潤は豆ちゃんを探すのを手伝ってくれただけで、私たちの間には何もありませんよ」「でも、潤を取り戻すために、おばあさんを呪い殺すのはよくないですよ。とても不運だし、何しろ年寄りだからね」潤は軽蔑した目で言った。「おばあちゃんがそんなにあなたを愛しているのに、モリ、本当に恩知ら
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