author-banner
佐々木ユズル
Author

Novels by 佐々木ユズル

Never Islan

Never Islan

人類の故郷、地球、「マザーエルサレム」その誕生から長い年月が過ぎ人類はどれだけの時間がたったのか誰も知る者はいなかった。  人の人生は100年が基本と言われるようになり80歳が還暦となっていた。そして還暦を過ぎたものは脳に電脳世界につなげ仮想世界にダイブすることで、新たな人生を始めるものも多かった。しかし、ダイブすれば脳は焼き切れ二度と現実には戻っては来れない。50歳を過ぎた阿久津理人(あくつりひと)は肺にガンを患い、余命3か月を言い渡されていた。    終末医療プログラムとして脳に電脳世界につなげ、仮想世界にダイブする行為として認められていたため彼はそのプログラムを受ける事で新しい人生を始めようとした
Read
Chapter: 32.5 「次の世界にいるものたちへ」
私はあり得ないものを見ている ここにあった島は?。 いったい何が起きている 何だ?この光景は?まるでこれは島ごとクッキリと取られたような光景ではないか? 本来この場所には開発が途中で止められた無人の街の光景が見られる島が存在していたはずた。 あの島はいったいどこに消えたのか?  2011年3月11日。あの日からこの海域周辺は禁句の場所として誰も立ち入ることのない海域となってしまっている。こんな物騒な海域に誰も立ち入るはずがない。あの日この海域周辺であの島で何があったのか?誰も見たものもいないし知るよしもないのだ。 私はすぐさま近くを巡回している自衛隊に無線で連絡を入れ合流した。 「久しぶりだな。甘夏目准尉」 「准尉はやめてくれあくまでこの階級は自衛権のために与えられたものだよ新田(あらた)少尉」 彼とは大学に通っていたころからの古い付き合いである。 気楽に話ができる相手でもある。きっと力になってくれるはずだ。 「彼は行ったのか?...」「ああ....今頃はきっと妹さんと久しぶりに再会しているはずだ」 「おまえも行くのか?....」「うん...そのためにこちら側でできるだけの情報を得ようと動いている」 「で、いまこの光景があると...」 「こんな光景を見てしまったらね....いやでもこう思うよね。彼らが向かった次の世界では何かとてつもなく厄介なことが起きていると。」「阿久津那智はなぜ彼らを?....まさかその厄介な事と関係があるのか?」 「さあ?しかし二人の再会を利用した事だけはどうやら事実のようだね」  そう言うと甘夏目はあるメモを新田に見せる   「これは?」    「あの人が残したメッセージ。簡単に言うと「座標」だよこれを元に美香ちゃんはグロウベルクシステムを使い次の世界に向かった。そして理人さんも..」「明らかに裏がありそうな匂いがプンプンするじゃないか」 「そうだね。だけどきな臭いのはそれだけでは無いんだよ彼女は何処の施設でグロウベルグシステムを使用したのか、そしてその遺体はどこに収容されのかは全くの謎なんだ。 「何だと?....」 「私は思うんだよまさかと思うがあの大災害は彼女がしようとしているその「何か」と関係しているのではないかと。だから私は彼らが向かった世界に行く前に少しでもこちら側の世界で情報
Last Updated: 2025-04-17
Chapter: 32話 ホムンクルス....そして...?
数日前..... 今は使われていない研究所が何者かに侵入されその施設の設備を使用された可能性がある事をミディールは現在の拠点の施設から遠隔操作で発見。これを調べるため理人と隆太はその研究所に調べに行く事となった....のだが... びゅぅうぅぅぉぉォォォォォォォ!!!(吹雪)  「また強く吹雪き始めたな」 「ふぃっくしゅ!!さむ!!!」 一方、たび重なる吹雪が原因で町中についていた人口ライトが遂にその全てが完全に破損。市長はミディールに街の安全を守るために人工発光電灯の取り付けを依頼。 美亜と奏花が急遽、この人工発光電灯の取り付けに駆り出されることとなった。 「ねえ?私達っていつからミディールさんの助手みたいなものになったっけ?」 「わ....私に言われても」 そして二人が電灯をつけてる丁度その時期にユウキとミナは吹雪に襲われ更に原因不明の動悸と体調不良により二人とも気を失ってしまうが丁度通りかかった美亜と奏花に助けられ間一髪、事なきを得る事となった。 そして現在.......。 「私たちが偶然通りかからなかったら君たちほんとにどうなってたかわからなかったよ」「私、奏花て言うのよろしくね」 「僕はユウキと言うんだ。で、こっちは妹のミナだ。」 「美亜ちゃん、奏花ちゃん二人ともよろしくね」 彼らはそれぞれ無事であることに安堵し、そして兄と妹は助けてくれた二人に感謝した。何より自分たちに優しく、そして親切にしてくれた事に心が温かくなるような感じがした。 同時刻.....ミディールの研究所にて......「ミディールさん、コーヒーもってきましたよあったまるから飲んでくださいな☆」 「ありがとう理緒ちゃん」 ミディールは理緒からわたされたコーヒーをゆっくりと飲みしばらくすると「ぷは~と息を吐く」「ありがとう、生き返るわ」 「にゃは☆おかわりもってきますか?」 他愛もない会話をする二人だが理緒はふと気になることが頭に浮かびミディールに聞くことにする。「理人ッち達が向かった研究所の後ってかつてはどんな研究をしていたの?」 ミディールはこの問いかけにたいし急に顔色を悪くすると重い表情を浮かべ説明し始める。 「あなたには....というかこの場合あなた達かしら?嘘は言わないほうが良いかもしれないわね...」「あの場所はかつて人
Last Updated: 2025-04-17
Chapter: 31話 偽りでも愛情は本物
ユウキは左手を見てみるとまるで火傷の跡のようなものが出来ていた。凍傷だ。 「私たちがあなたたちを見つけるのが遅かったらこんな傷ではすまなかったかもしれませんよ....何でこんな危険な日に妹さんと....」 ユウキは美亜のその言葉に何も言い返すことが出来なかった。本当のことを言えば大変なことになる。島中に噂は流れ島にはいられなくなる。 そもそもこの子は僕の言うことなど信じるはずがない。 「食糧調達だ......それに薪も切らしてしまっていた。食料はまだどうにかもっていたであろうが薪はどうにもならなかった妹を連れて行ったのは.....この子を一人にさせるのは危険だと思ったからだ。側にいてくれた方がよっぽど安心だと思ったからだ。」「だが僕の考え方が甘かった。危うく。この子をミナを死なすとこだった。」 「せめてこの吹雪が落ち着くまではここで休んで行ってください妹さんのためにも...」 「ああ...そうだな」ユウキはうつむきながら思いつめた顔をのぞかせる 「んん...?」どうやらミナが目が覚ましたようである。 「よかった....。」ユウキは優しくミナの手を触る。冷たくてひんやりする。 「兄さん......」その一言にユウキの心が一瞬にして凍り付いた 違う....ミナじゃない.....ここにいる少女は...ミナとは違う意識と自我か芽生えてしまった...。見た目はミナとそっくりだが違う...ミナは僕の事を「お兄ちゃん」といつも呼んでいた。 例えこの子の肉体がミナのものとまったく同じように作られたとしても芽生えた自我は別人。それでもユウキは今ここにいる「ミナ」をけして離さないと誓った。これがやってしまった行為の責任だと思ったからだ。 「もう.....大丈夫だから....」 ユウキは優しくミナを抱き寄せる そんな二人を微笑ましく見守る美亜。 「そろそろ暖炉の薪を追加しないと、私、薪をもってきますね。」「覚める前にそのスープ飲んでくださいね。おかわりもありますよ遠慮なくいってくださいね。」そういうと美亜は2階の部屋に薪を取りに行く。 ユウキは今自分たちがいる部屋を見回す。 それにしても....随分と立派な家.....というより屋敷かな?壁には見るからに立派な装飾がされており綺麗な画が飾られている。  「兄さん....
Last Updated: 2025-04-17
Chapter: 30.7話 死が世界を分かつまで
彼が旅立ってから2年がたった。私はあれから彼らの転移場所を探り入れた。彼の祖母が残した座標。彼らは必ずその場所にいる。 何故あの人は二人をこの座標の世界に導いたのか?そして私は知りたかった。彼らが死を受け入れた先に手ら入れたその先の時間を。 グロウベルグシステムの端末は確保した。後はこちらの世界でのやり残しをすべ終えるだけである。 出来うる限り彼らに情報をわたしたかった私は二人にとって最後の時間を徹底に調べる事にした。2人が最後の時間を過ごしたあの日、戦後最大規模と断定された大地震と大災害が起きた。 あの爆発的な地震が起きた直後。震源地の海域のその周辺の海域の島々のすべては壊滅となった。 私は震源地からその周辺の海域そして壊滅的な状況となった島々を調べる事とした。2011年3月11日。福島沖から襲来した津波はその後の世に災害だけでなく大きな災いを残した。 この津波は島々だけでなく本土にまで押し寄せ被害を葬った。 この時起きた地震の震音と震端数を私は徹底的に調べ上げる事にした。震音と震端数のデータは私の研究機関が残しているそこから調べる事にする。 何だこれは?通常ではありえないこの波と波長音は?バカな.....こんな歪に整った波長と震端数これはまるで....こんなものは人の手で起こされたものとしか言えない。 しかもこれは...地震発生直後から震源地から爆大な、なんだかしらのデーター情報が滝の用に漏れ出している。データーの解説が出来ない。 もはやこの地震は何者かの手によって人の手によって起こされたとしか言えない 私はこの震源地に自らの目でその後をこの目線で確認する事にした。その震源地に行く前にある島に私は立ち寄ろうとした。 この島は誰も住んでいる人がいない無人島だ。 人が住めるようにするために開発開拓が進められていたがプロジェクトを支えていた会社が財政難により経営破綻してしまい開発と開拓の話はオジャンとなった。 島に足を運ぼうとした私は現実とは思えない不気味な光景を見た。 私は船の上からあり得ない光景を見ている。私はいったい何を見ているのだ?ないのだそこにあるはずの島が。 有ったはずの島のその位置に海ごとくっきり切り取られるような状態となり大穴が開いた状態となりその穴めがけて海水が滝のように流れていく この場所
Last Updated: 2025-04-17
Chapter: 30.5話「ーーーー。」
××××年×月××日僕に妹が出来た。妹を出産した後、体が丈夫でなかった母はそのまま寝込みがちな生活が続いた。元々病気を患っていたので無事に生き延びたのは奇跡だったかもしれない母より------。「私に何かあったら代わりにあなたが守ってあげて」と息子にたのむ。----------------。父は母の看病で手いっぱいで妹への世話などできる状態では無かった。父は僕と妹のすべてが無関心だった。母への介護で手いっぱいだったからだ。僕は妹に「ミナ」という名前を付けてあげた。ミナはいつも僕に可愛い笑顔を見せてくれる。僕がミナを守るんだ。母は今日も寝ている。最近では眠っている時間の方が長いような気がする。それでも母はミナがそばによると気配でわかるのか起き上がり笑顔を見せる。母よりーーーーーーーーー。「彼女に素敵な名前をありがとう」と息子に言う。----------------------------------。父は今日も母だけを心の拠り所にして生きている。とにかく全てが母を中心に考えている。仕事をする理由も母のため。僕は父と会話すらしたことがない全てが母のため------。でも僕は母も父も二人の事を一度も恨んだことはなかった。父は僕たちに愛情は微塵も無かったが母に対しての愛情は本物だから。母よりーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。「お父さんを恨まないで」と息子に言う。--------------------------------------------------------------------。母の僕たちに対する愛情は本物である。だから僕は父も母も恨まない。
Last Updated: 2025-04-17
Chapter: 30話 Sonokono kokorowa Jigawa Betsujindesu
久しぶりに家に帰れる。ユウキはそう思いながらミナを背負い歩き続けた。 家に帰るのは5年ぶりだ。あの日から家には一度も帰っていない。 あの装置を動かすために色々と時間をかけてしまった。 ユウキはミナをホムンクルスとして蘇生させるために5年の月日をあの研究室で過ごしたのだ。「 もう少しで家に着くから辛抱してくれよ?」 ミナはユウキに背負われながら「すうすう」と寝息を立てながら眠っている。 彼は無言で更にしばらく歩き続けた  しばらくすると急に胸が焼けるような感覚がユウキを襲い始めた。突然にである「はぁはぁ....くそ....なんだこれは」 ユウキは胸がしめつくような動悸と目まいの症状が現れた。 ドサ! ついに我慢できなくなりその場に倒れこんでしまう。「え?...」 ユウキは隣で倒れて「ゼエゼエ」と苦しむミナをみて彼女の手を握る。「なんで...ここまで来て..」「誰か...助け...」  ミナはゼェゼェと息を荒くし苦しそうにしている。 雪が降りだしてきた。 ユウキはミナに覆いかぶさるようにして庇う。「ちゃんと問題なく発光しているね」 美亜と奏花は町中の建物についている人工発光電灯に異常が無いか見回りをしていた。「ミディールさんの言った通りこれで少しは見晴らしが良くなるといいんだけど...」 今の時期は吹雪などで昼間でもほとんど光は遮られ真っ暗になるときもある。 そこで少しでも楽になればという事でミディールの案で人工発光電灯を街のいたるところに付ける事となった。「まるでクリスマスの時期に付けられるイルミネーションみたいだね」 美亜は色とりどりに光り輝く人工発光電灯を見ながら積もった雪を踏みながら少しずつ歩き出す。 かなり積もっているようで歩きづらそうである  しばらくすると雪が再び振り出してきた。少し吹雪きそうな予感がする。「もうこれぐらいにして屋敷に戻りましょう」 二人は一通り確認し終わると屋敷に戻る事にする 屋敷に向けて歩き出した二人だがやはり予想通り吹雪いてきた。「美亜ちゃんあれーーー。」 奏花が何かに気づき指をさす。 指をさした場所に人が倒れている。  雪に埋もれている。男の子が女の子を守るように覆いかぶさっている「しっかり....」 美亜は二人に必死に声をかけ続ける。 奏花近くの民家に助け
Last Updated: 2025-04-17
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status