義母の掃除の音で目を覚ました私は、ハッと気づいた。転生したんだ、と。スマホを見ると、会社を契約ミスでクビになった、あの日の朝5時だった。義母は私の書斎から出てくるところだった。書斎に入るな、ましてや書類に触るなと、何度も念押ししていたのに。いつもこうだ。まるで馬耳東風。自分のことしか考えていない。前世、義母はこっそり書斎に入り、契約書の見積もりページを別の契約書のページとすり替えたのだ。何度も確認していたので、当日の朝は急いでいたのでざっと目を通しただけだった。顧客との契約の場で発覚し、私は不誠実だと決めつけられ、契約は破談になった。数億円の契約を失い、会社は責任を追及し、私は解雇された。怒り狂って帰宅し、義母を問い詰めた。すると義母は泣き喚き、大騒ぎをして、「毎朝早く起きて掃除してるのに!わざとじゃないのよ!」と叫んだ。「年寄りは役に立たない、邪魔者扱いされて、生きていても仕方ないわ!」義母が泣き喚き、夫の結城耀は親孝行な人に変身した。「彩奈、どういうつもりだ?母さんは産後もお前と子供の世話をして、毎日ご飯を作って掃除して、身を粉にして働いてるのに、こんな仕打ちか?」「少し年を取って間違えただけじゃないか。年寄りに何をそんなに目くじらを立てるんだ?母さんがどれだけ苦労して私たちを支えていると思ってるんだ?」彼らの言う「ちょっとした間違い」で、私の長年のキャリアは台無しにされ、挙句の果てにモラルハラスメントまで受ける羽目になった。産休中だって休まず、顧客との関係維持に必死だったのに。全てが彼らの軽率な言葉でぶち壊されたのだ!そして、娘のあまね。私が仕事を失うと、結城耀と義母はすぐに新しい仕事を探せと急かしてきた。結城耀一人の給料では生活できないからだ。あまねにつらい目にあわせたくなくて、私は営業の仕事を見つけ、毎日早朝から夜遅くまで働いた。義母と結城耀はベビーシッターを雇うことに猛反対し、ちょうど母が足を捻挫して手伝いに来られなかった。義母が私のやり方で子供を育てると約束してくれたので、日中のあまねの世話を任せることにした。毎日出勤前に母乳を冷凍庫に保存し、授乳時間と注意事項を付箋に書いて貼っておいた。あまねはおとなしい子だから、ミルクをあげてオムツを替えれば大丈夫だろうと思
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