友達と買い物をして家に帰る途中、ついでに幼稚園に寄って娘の陽葵を迎えに行った。帰り道で陽葵が今日の宿題について話し出した。「車のエンブレムを描いて先生に見せるんだって。ママ、庭師のおじいさんの車を描いてもいい?それが好きなの」「もちろんいいわよ。家の車ならどれでも好きに描いていいよ」家に帰って陽葵を連れて庭に向かう途中、ガレージを通りかかったら、小姑が息子を連れて私の車の前にいた。「これが高い車だから、これを描きなさい」私が何も言う前に、安田早苗が皮肉たっぷりに言った。「まさか、車のエンブレムを描かせるだけでも嫌がるわけ?」安田早苗は私を横目で睨むと、そのまま息子に絵の細かい部分を指示し続けた。私はただの幼稚園の宿題だと思い、特に気にせず陽葵を連れて庭に向かった。リビングに入ると、義母が革張りのソファに座りながら足の角質を削っていた。彼女は横に置いてある鶏糞まみれの卵を指さして言った。「これを洗って綺麗にして茶碗蒸しにして、孫たちに食べさせなさい」どうりで安田早苗が急に家に現れたと思ったら、一家揃って私の家に居座るつもりだったのね。「山田さん、この卵を外に捨てて。それから、ここを掃除する人を呼んでおいて」義母が怒る前に、私はさらに付け加えた。「私はこれでも十分寛容にしているつもりよ。でも、本当に私を怒らせたいなら、別にそれでもいいけど?」「深嶋理沙、あんたちょっと図に乗りすぎじゃない?私はあんたの姑よ!」安田早苗が駆け寄ってきて、またいつものように挑発的な言葉を並べた。「兄嫁って本当にそう。お金があるからって私たちを見下してばっかり。うちの兄が可哀想、こんな横暴な嫁をもらうなんて」私は指を振りながら言った。「深嶋拓斗は婿養子よ。言い間違えないで」「拓斗が毎月いくら渡してるか、私が知らないとでも?それに、あの家も、あなたの息子の入学枠も付け加えて、まだ足りないっていうの?」私は振り返ることもなくその場を離れたが、後ろでは安田早苗が母親に向かってあれこれ煽動する声が聞こえていた。その一言一言は全て右から左に流しておいた。そして部屋に戻った直後、幼稚園のグループチャットにメッセージが届いた。「保護者の皆さま、明日午後5時に保護者会がありますので、必ず時間通りにお越しください」陽葵が入園してからもう2ヶ月が経つし、一度
最終更新日 : 2025-01-09 続きを読む