「9月20日、深夜」深夜0時、宅配便が届いた。手のひらサイズの箱を見つめると、そこには青い文字でこう書かれていた。「紅島ステーション、受け取りをお願いします」好奇心に駆られ、私はハサミも使わずに箱を手で破いた。中には粗末なボタンが1つ入っており、あまり価値があるようには見えない。ボタンの隣には一枚の紙が静かに置かれていた。「緒方真帆へ」眉をひそめて封筒を開けた。「おめでとうございます。選ばれたあなたは、これからの期間、以下のルールを必ず守ってください。私たちはあなたの安全を保証します」「一、受け取った物の中身は誰にも話さないでください」「二、このマンション内で生鮮食品を食べないでください」「三、問題がある場合は管理人が助けます。なので袖口に青いボタンがついている管理人を探してください」「四、袖口に青いボタンがついた人の言うことを信じないでください」「青い」という部分は太く、何度も書き直したように見えた。「五、昼間は海で泳がないでください」海の近くのマンションなので泳ぎに行くこともある。しかし、なぜ私が夜の海を泳ぐ習慣を知っているのだろう。「五、ボタンの色を変更しないでください」同じ番号だが、違う字体で書かれていた。「六、手紙に書かれているすべての内容を信じてください」「七、0時以降はマンションへの出入りが禁止されます。解除通知があるまで外に出ないでください」冗談だろう!私は手紙を丸めてゴミ箱に投げ捨てた。私は緒方真帆で、今年大学を卒業したばかりだ。でもまだ良い仕事が見つからず、ショッピングサイトのライブコマースをしている。夜11時過ぎ、ソファにだらしなく座りながら、目の前に積まれたカップラーメンの荷造りをしていた。突然、ドアを激しくノックする音がした。ドアスコープから外を見ると、灰色の作業着を着た男が立っていた。黒いキャップが深く顔を覆っており、表情が見えなかった。キャップには「紅島ステーション」のロゴがついていた。今日の広告を見るまで、そんなステーションがあることすら知らなかった。23:59。こんな時間に配達?男の帽子のツバが長すぎて、表情が全く分からない。一瞬で、「夜中の宅配便を装った強盗」や「配達員を装った殺人犯」などのニュースが頭をよぎ
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