なんてことだ、結局、あいつはただの演技だったってことか。この女は俺にひどい裏切りのレッテルを貼りやがったんだ。「あなた」と、春香が甘えた声で俺を呼んだ。だが今の俺は怒りでいっぱいで、思わず平手打ちを食らわせたくなった。しかし、ぐっとこらえた。彼女が次にどんな芝居を打つつもりなのか、じっくりと見てやろうと決めたのだ。近づくと、春香は俺の不機嫌を察したのか、顔色がさっと変わり、「建也、またあんた、そんないやらしいことを考えてるんじゃないでしょうね?」と口調が強くなった。「お前が何もしていなければ、俺が考えたって何も変わらないだろう」俺は皮肉を込めて答えた。「いいわね、建也。私の心には長年、あなただけがいたというのに、あんたはこんなふうに思っていたんだ!」そう言って、春香は泣きながらバスタオルを引き下ろし、「どうせ私が他の誰かと何かしてるって疑ってるんでしょう?だったら、ほら、自分の目で見ればいいじゃない!」と叫んだ。彼女の肌は全てあらわになり、首元と同じように赤い斑点が胸元や腰にも浮かんでいて、当時の激しさがうかがえるほどだった。怒りがこみ上げてきたその時、俺の顔に軟膏のチューブが飛んできた。「アレルギーでこんなにひどくなってしまったのよ。それでもあなたを起こして薬を買って来いなんて頼めなくて、我慢したっていうのに、どうして私を疑うのよ!」春香は泣きじゃくり、涙で顔が崩れそうだった。俺は薬のチューブを拾い上げ、中身を確認し、その場で脱力した。まさかアレルギーだったとは......「すまない、俺が悪かった」と、思い切り自分を叩き、キスをしたり、ひたすら彼女をなだめ続けたが、春香は泣き止まず、冷たいままだった。俺は彼女を疑ったことで大きく傷つけてしまったことに気づき、反省しながら、何日も家事を担った。毎朝、彼女のために歯磨き粉を用意し、愛情たっぷりの朝食を作り、夜には彼女を迎えに行き、さらにお風呂上がりには一生懸命、彼女を満足させようと努力した。春香は俺の尽力をそのまま受け取ってくれたが、態度は冷たいままだった。俺はどうしようもない無力感に包まれていた。その日も、春香を迎えに行こうとドアを開けた時、黒いストッキングに包まれた美しい脚が目に入った。そこに立っていたのは蓉子だった。彼女は特別におしゃ
Read more